今日はどこまで走ろうか

日ごろはミュージシャンとして活動をしている落合みつを氏が、愛車W800に乗って日本を旅する道中に体験したことなどを語る連載企画

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ヨシムラ

瀬戸内海と厳島神社、広島風お好み焼きと尾道ラーメン、そして戦争の傷痕と平和への願い。歴史と文化がさまざまなコントラストを奏でる広島を、愛車・W800にまたがりブラブラツーリング。

岩国を抜けると海岸線。まずは厳島神社へGO

空気が少しにおう。風が湿り気を帯びてむき出しの肌にまとわりついてきた。「これはひと雨来るぞ」と、頭の片隅で考えながら、気持ちはすでに次の目的地である広島にあった。岩国を越えて瀬戸内海沿いの道に出ると、青くあざやかな景色がひらけてくる。海岸線を少し流せばこじんまりとした波止場が現れる。JR宮島フェリーに乗れば、乗船わずか10分程度で世界遺産の厳島神社へ渡れる。全国に500以上ある厳島神社のここは総本社。海に浮かぶ大鳥居は誰もが知っている景色だろう。

潮が引くのをまって浜に降りる。大鳥居の間近まで近づいてみた。ところどころ剥がれてむき出しになった木肌は人の願いを幾万と聞き入れてきた証に感じる。雨が降り出しても、島の鹿たちは素知らぬ顔でエサを求め歩き回っていた。昼食は広島風お好み焼きと決めつつ、もみじまんじゅうを片手に商店街を練り歩く。どの店も焦げた甘いソースの匂いを軒先に漂わせている。勘で飛び込んだが、まずまずの手ごたえ。栄枯盛衰、いにしえの平家伝説に触れた後、雨の上がるのを待って戻った。

今回は広島市内には立ち寄らず、その先にある呉に向かった。海岸沿いをゆるゆると走っていると建造中のタンカーが見えてきた。間近で見ると、これほど大きいのかと圧倒されてしまった。すると今度は巨大な潜水艦が目の前に現れた。てつのくじら館は海上自衛隊の日本で唯一、一般が入れる潜水艦型資料館だ。まずはその大きさに圧倒される。広島という街は全国の中でも、とくに戦争の愚かさを教えてくれる大切なところだ。この資料館には悲しい歴史から、日本の技術を活かした現在の世界平和への活動まで知ることができる。平和とは何か、それを痛感させられる。多くの方にぜひ立ち寄っていただきたい場所だ。

複雑な感情を処理できぬまま外に出ると、さっきまでの雨が嘘のように姿を消していた。巨大な“てつのくじら”を見上げながら、感じた痛みを胸の奥深くに刻んで“鉄馬”W800のアクセルを開いた。さぁ行こう。雲の切れ間から差す光が俺たちの進む道を照らしている。

コレを食っとけ

尾道ラーメン

尾道ラーメン尾道一番は素朴なたたずまいの店。これぞ尾道ラーメンといえる王道の味だ。メンマに刻みネギ、甘めの醤油スープにうっすらと乗った脂が技あり。チャーシューが麺と相まって一気にたいらげた。オススメはラーメンセット。

落合 みつを
落合 みつを

シンガーソングライター。新潟県出身。2004年メジャーデビュー。世界初の分解ギターをヤイリギターと製作する。現在、愛車W800との旅をウェブ TVで世界配信中。全国コミュニティFM7局放送中『今日はどこまで歩こうか?』詳しくは公式HPインフォメーションにて
http://information.mitsuwo.com
Web TV『落合みつをの今日はどこまで走ろうか?』
http://www.mitsuwo.com/




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