今日はどこまで走ろうか

日ごろはミュージシャンとして活動をしている落合みつを氏が、愛車W800に乗って日本を旅する道中に体験したことなどを語る連載企画

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ヨシムラ

山形県の海側、庄内地方をゆったりツーリング。奇岩が顔をのぞかせる日本海を眺めながら、悠々とバイクを流せば潮風が鼻先をくすぐりいつまでも走り続けたくなる。

ラーメン王国の朝は早朝ラーメンから始まる

山形県は内陸部と沿岸部に分かれていて、秋の恒例祭である芋煮会も、内陸は牛肉で醤油、沿岸は豚肉で味噌と、味付けと肉が違うなど文化が異なる特徴を持つ。今回は日本海側に位置する庄内地方酒田市の朝からスタートした。日本一の麺消費量を誇る山形県。以前、友人宅で食事した際に、ラーメンなのにソバつゆで食べることを勧められた時は戸惑った思い出がある。さて早朝に向かったのは卸売市場にほど近い麺屋酒田。煮干し醤油のスープと手もみ縮れ麺が朝早くから市場で働く人の腹を次々満たしていた。

松尾芭蕉の奥の細道や北前船などの酒田の歴史を探索して楽しんだ後は、日本海に沿って新潟方面へ愛車を駆った。W800の小気味いいエンジン音が景色によく馴染む。遅くもなく、また焦ることもなく走れる時間は至福である。しばらくして目立つ奇岩を見つけた。その先には粟島が望む。見応えがあったので愛車を停めて記念撮影。バイク乗りは愛車がカッコよく見えるシーンが誰だってうれしいものだ。

さらに進み、あつみ温泉に到着。千年以上の歴史がある温泉街はキレイに整備されていて古さを感じさせない。町を流れる温海川の橋の真ん中にある飲泉所で温泉を飲み、川面を眺めると鮎釣りをするバイク乗りもいた。川を中心に作られている温泉街なので、ぐるりと一周してみた。歴史のある朝市を町の人々で継承して続けている姿は見ていてこころよい。そのほか、バラ園や無料の足湯もあちこちにあるので、地ビール片手にぶらり散策。温海川の脇にある足湯でしばし呆けてみた。無料の足拭くタオルが用意してあるあたりは観光客への温かさが滲み出ているではないか。最後に朝5時から夜中24時45分まで入浴できる下の湯公衆浴場で200円の運営協力費を箱に入れて源泉掛け流しの柔らかな湯に体を浸した。地元の男衆と裸で交わす方言たっぷりの雑談も旅のよき思い出。約半日かけてたっぷりと堪能した。またふらりと来たくなる温泉街。心と体を満たすよき旅だった。

あつみ温泉街を流れる温海川

あつみ温泉街を流れる温海川は鮎釣りのメッカ。釣り人が降り立ち、鮎釣りを楽しんでいた。なかには釣竿を積んで来ているバイク乗りもいて見ているだけでもおもしろい。鯉のぼりかと思い、よく見たら鮎のぼりだった

ここに寄っとけ

あつみ温泉足湯

あつみ温泉足湯足湯があるのも温泉街なら当たり前かもしれないが、温海川に沿って用意された足湯各所には無料でタオルが用意されているのだ。なんと心の広い温泉街だ。鮎のぼりを眺めながら心ゆくまで足湯を堪能してからあつみ温泉を歩いて散策しよう

落合 みつを

シンガーソングライター。新潟県出身。2004年メジャーデビュー。世界初の分解ギターをヤイリギターと製作する。現在、愛車W800との旅をウェブ TVで世界配信中。全国コミュニティFM7局放送中『今日はどこまで歩こうか?』詳しくは公式HPインフォメーションにて
http://information.mitsuwo.com
Web TV『落合みつをの今日はどこまで走ろうか?』
http://www.mitsuwo.com/




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