ヨシムラ
日本海に沿って北陸を走れば先には能登半島がツノを出している。鼻をくすぐる潮風が山間に漂う。山道を抜ければのどかな雰囲気がたちこめる奥能登、輪島が待っていた。
はるか海上に舳倉島が見える奥能登
北陸へ向かい太陽を背に国道8号線を何日も走り続ける。すると、能登が右手に見えてきた。今回は、本業の音楽も兼ねての訪問だった。輪島の純朴な小学生たちが行なう『合同合唱の集い』に歌手として呼んでもらった。輪島の子供たちが奏でる歌声は温かく、世代を超えて誰もが感じる懐かしい匂いがした。子供たちと一緒に歌を唄いながら、のどかな輪島の歴史が知りたくなった。
さっそく地元の方から仕入れた情報で半島を走る。奥能登の海岸線を岬へと走れば、はるか彼方に灰色の空が浮かばせた舳倉島(へぐらじま)が見えた。ここは神と海女の島。神秘的なこの島に魅せられて、夏には全国から釣り人やスキューバダイバーが多く集う。空と海のコントラストを眺めながら折り返し、W800を気持ちよく流してキリコ会館へ。古くから伝わる奇祭や、海女の暮らしが展示されている。ここは必ず立ち寄るべし!
そこから徒歩で向かった所は輪島朝市通り。平安から続く輪島朝市は、懐かしい風情と情緒があふれていた。同じく歴史ある輪島塗漆器も多くそろっていて、あちこちに目が移って困ってしまったが、荷物も増やしたくなかったのでぐい呑を一つだけ購入した。軽さ、美しさに合わせて丈夫さが魅力の輪島塗はアウトドアにぴったりのアイテムだ。輪島朝市には良質な海産物があふれている。干しアワビの美味さは旨味たっぷり。
朝市通りの中央あたりに差しかかると永井豪記念館があって、大きなマジンガーZが仁王立ちして迎えてくれる。突き当たりには舳倉島から渡って来るという女神と重蔵神社に住む男神との愛を祀るコーナーがあるので、柱を回って平和を祈った。重蔵神社の本殿があるというので足を伸ばしてみると、足湯を発見した。ときおり強い風が吹きつける日だったが、屋内の足湯なのでゆっくりと休憩できた。足湯の気持ち良さはバイク乗りが一番感じると思う。朝市通りの入り口に戻り夕食を探してみた。多々あるなかで驚いたのはフグ。なんと輪島はフグの漁獲高日本一だというのだ。今夜はフグの干物をキャンプのアテにするとしようか。
ここに寄っとけ
輪島温泉郷 湯楽里
輪島朝市通りを巡ったら入り口に戻り、反対方向へ商店街を進めば荘厳な重蔵神社が正面に見えてくる。突き当たりを右に曲がるとすぐに無料の足湯、湯楽里があるので旅の疲れをここで、ゆらりといやそう
落合 みつを
シンガーソングライター。新潟県出身。2004年メジャーデビュー。世界初の分解ギターをヤイリギターと製作する。現在、愛車W800との旅をウェブ TVで世界配信中。全国コミュニティFM7局放送中『今日はどこまで歩こうか?』詳しくは公式HPインフォメーションにて
http://information.mitsuwo.com
Web TV『落合みつをの今日はどこまで走ろうか?』
http://www.mitsuwo.com/