ヨシムラ
3気筒のバランスをそろえることが重要
カワサキ旧車のなかでも、とくに独自性が強いのがマッハシリーズだ。2ストローク空冷3気筒という他のシリーズには類のないエンジンを採用しているので、トラブルの内容も他車とはちょっと違う。今回はマッハシリーズのキャブレターに注目する。
キャブレタートラブルの具体的な症状は
- 走れるけれど何となく調子が悪い
- レスポンスや回転の落ちが悪い
- 3本のプラグの焼けがバラバラ
- オーバーフローしやすいなど
その原因は3つのキャブレターの同調が取れていないことに起因する場合が多い。同調がずれる原因は、スロットル操作に対して3本のワイヤーの動きがそろっていないことや、内部パーツの汚れや傷、減りによってスロットルバルブの動きがスムーズでないこと、また、チョーク部のトラブルなどが考えられる。
放置しておくと始動性や燃費の悪化をまねき、最悪ピストンの焼き付きを起こしかねない。なにより2ストローク3気筒エンジンの持ち味である、痛快な加速感を味わえなくなり、それこそ悲しいことだといえよう。
3個のキャブレターのバランス取りには経験が必要
対処法の基本はキャブレターのオーバーホールだ。ここで重要なのは3気筒のうちどれがベストでどれが不調かという見極めである。実はプラグの焼けがよいところがベストだとは限らない。内部パーツの減りなどによって、たまたまそこが合っているということも考えられるからだ。それだけに1ヶ所にとらわれず、3つのキャブレターすべてとその周辺パーツまで幅広くチェックする必要があるのだ。
2ストローク3気筒モデルは人気があり、純正パーツやリペアパーツが数多く発売されているので欠品で困ることは少ないという。劣化や変形などが見られる部品はできるだけ新品に交換し、3気筒のバランスを取り、ベストコンディションにしたい。そのためにはこのエンジンについて経験豊富なプロの手を借りることも必要だと考えられる。
困った時は経験豊富な当店にご相談を!
多くの2ストローク3気筒モデルを手がけてきたウエマツでは、不調の原因究明はもちろん、豊富な在庫パーツにより対処も早いです。他店や個人売買で入手した車両でも分け隔てなく相談に乗ります。(ウエマツ)
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。