絶版車の医学

“絶版車の医学”では、絶版車にありがちな症例を紹介し、その対策を解説していく。アドバイザーは絶版車専門店のウエマツだ

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カワサキバイクマガジンvol.125掲載記事(2017年4月1日発売)
イラスト:市川リョウコ 取材協力:ウエマツ

[第13回]2ストローク3気筒のキャブレター不調

3気筒のバランスをそろえることが重要

カワサキ旧車のなかでも、とくに独自性が強いのがマッハシリーズだ。2ストローク空冷3気筒という他のシリーズには類のないエンジンを採用しているので、トラブルの内容も他車とはちょっと違う。今回はマッハシリーズのキャブレターに注目する。

キャブレタートラブルの具体的な症状は

  • 走れるけれど何となく調子が悪い
  • レスポンスや回転の落ちが悪い
  • 3本のプラグの焼けがバラバラ
  • オーバーフローしやすいなど

その原因は3つのキャブレターの同調が取れていないことに起因する場合が多い。同調がずれる原因は、スロットル操作に対して3本のワイヤーの動きがそろっていないことや、内部パーツの汚れや傷、減りによってスロットルバルブの動きがスムーズでないこと、また、チョーク部のトラブルなどが考えられる。

放置しておくと始動性や燃費の悪化をまねき、最悪ピストンの焼き付きを起こしかねない。なにより2ストローク3気筒エンジンの持ち味である、痛快な加速感を味わえなくなり、それこそ悲しいことだといえよう。

キャブレターとエアクリーナーをつなぐインシュレーターは樹脂製なので時間が経つと収縮・硬化する。すると隙間からエアを吸うなど不調の原因になる
キャブレターとエンジン接続部の内側にある樹脂製スリーブも減るとエアの混入などトラブルの原因になる。右の新品に比べると厚みの差は歴然だ
よく見ると右のノズルの内側にはドライバーで叩いたような十字のキズがある。こんな些細なキズでもニードルの動きが阻害され不調の原因になりかねない
フロートチャンバー4隅のネジを強く締めすぎて、本体との接触面が歪んでしまいスキ間ができてしまうモノもあるそうだ。フロートの破損にも注意

3個のキャブレターのバランス取りには経験が必要

対処法の基本はキャブレターのオーバーホールだ。ここで重要なのは3気筒のうちどれがベストでどれが不調かという見極めである。実はプラグの焼けがよいところがベストだとは限らない。内部パーツの減りなどによって、たまたまそこが合っているということも考えられるからだ。それだけに1ヶ所にとらわれず、3つのキャブレターすべてとその周辺パーツまで幅広くチェックする必要があるのだ。

2ストローク3気筒モデルは人気があり、純正パーツやリペアパーツが数多く発売されているので欠品で困ることは少ないという。劣化や変形などが見られる部品はできるだけ新品に交換し、3気筒のバランスを取り、ベストコンディションにしたい。そのためにはこのエンジンについて経験豊富なプロの手を借りることも必要だと考えられる。

フロートチャンバーと本体のパッキンは年式が新しいとゴムを使っていることが多いが、この時代は紙ガスケット。安価なので定期的に交換したい
タンクからのサビや汚れが、キャブレター内のガソリン経路やジェット類の詰まり防止とガソリンの流量をチェックできるように、フィルターの装着をお勧めするとのこと

困った時は経験豊富な当店にご相談を!

多くの2ストローク3気筒モデルを手がけてきたウエマツでは、不調の原因究明はもちろん、豊富な在庫パーツにより対処も早いです。他店や個人売買で入手した車両でも分け隔てなく相談に乗ります。(ウエマツ)

横田 和彦

バイク歴32年のフリーライター。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へ進み、さまざまなメーカー・排気量のバイクを乗り継ぐ。手元にバイクがなかった時期はなく、現在もツーリングや草レース参戦などを楽しんでいる。




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