絶版車の医学

“絶版車の医学”では、絶版車にありがちな症例を紹介し、その対策を解説していく。アドバイザーは絶版車専門店のウエマツだ

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カワサキバイクマガジンvol.126掲載記事(2017年8月1日発売)
イラスト:市川リョウコ 取材協力:ウエマツ

[第15回]トラブルを未然に防ぐ策①

相手の特徴を知り上手に付き合う

ウエマツが納車するときに行なう説明をもとに絶版車の扱い方を紹介しよう。

ガソリンまわり

走行時以外コックはOFFにする。

→キャブレターの構造上、本来ガソリンの流れは止まるが、旧車の場合、摩耗などでできたスキ間から流れ出て、長期間でオーバーフローすることもある。

→多くはオーバーフローしてもキャブレターのホースから流れ出るが、一部の車両で大きな問題になる。2ストロークトリプル系ではクランクケースに流れ込みウォーターハンマー現象を起こす可能性も。エンジンを停止させた状態でカラキックを2・3回して圧縮の感覚を確かめる。Z400FXなどはクランクケースのエンジンオイルに混入し薄めてしまうこともある。

→一般的な“ON/RES/OFF”タイプならOFFに。“ON/RES/PRI”の負圧タイプは、エンジンが動いているときだけガソリンが流れるのでONのままで。

エアフィルターまわり

シート下の吸気口はクリーンに。

→ウエスや書類などが吸気口にかかると吸入量が減りカブリや吹けなくなるなどの要因になってしまう。

→スポンジのエアフィルターは経年劣化すると粉々になりキャブレターに吸われてジェットの詰まりやオーバーフローの原因になることもある。

エンジンオイルについて

そのエンジンにあったオイルを、距離や時間で管理し交換する。交換しないとオイルの性能が落ち回転部の焼付きや異常摩耗の原因になる。

→交換サイクルは、よく乗る人は3,000kmくらいを、乗る機会が少ない人は1年に1回を目安にする。

→オイルフィルターは、オイル交換2回に1回のペース。絶版車に乗っている人には当たり前の情報でも、初オーナーにとっては知らないことも多い。知識を蓄えて、健康な絶版車ライフを送ろう。

絶版車の特色を知り、健康な絶版車ライフを!

シート下にあるエアクリーナーボックスの吸気口にウェスや書類などがかかると空気の量が不足しカブったり、ふけなくなる原因になる。あまり余計な物は入れないようにしよう
ガソリンコックには2種類ある。オンにすると流れる一般的なものと、エンジンが始動しているときだけ流れる負圧式だ。PRIがあるかどうかで見分けがつく
2スト3気筒は、オーバーフローしたガソリンがクランクケースに流れてしまう可能性が高い。気付かずキックしウォーターハンマー現象を起こすと大事になる
一般的にはフロート室にガソリンが溜まると、フロートが浮きガソリン流入を止める。しかし何らかの理由でガソリンが流れ続けあふれることもある
これがウエマツで使っているオリジナルブレンドオイル。「鉱物油を使うことで、旧車に多く使われている紙ガスケットなので鉱物油のほうがオイルもれにつながりにくいのです」

絶版車のエンジンには最適な成分のエンジンオイルを

オイルは難しいのですが、旧車に100%化学合成油を入れるとガスケットからにじむことが多いです。ウエマツでは旧車に対応した成分(鉱物油)や粘度などを持つオリジナルブレンドのオイルを販売しています。もちろん弊社の整備でも使っている製品です。通信販売もできますので、ご自宅で交換する場合も使っていただければと思います。(ウエマツ)

横田 和彦

バイク歴32年のフリーライター。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へ進み、さまざまなメーカー・排気量のバイクを乗り継ぐ。手元にバイクがなかった時期はなく、現在もツーリングや草レース参戦などを楽しんでいる。






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