絶版車の医学

“絶版車の医学”では、絶版車にありがちな症例を紹介し、その対策を解説していく。アドバイザーは絶版車専門店のウエマツだ

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カワサキバイクマガジンvol.127掲載記事(2017年10月1日発売)
イラスト:市川リョウコ 取材協力:ウエマツ

[第15回]トラブルを未然に防ぐ策②

ツーリング先で起きたトラブル例と解消法

ツーリング先などで愛車にトラブルが発生すると誰でも焦る。しかしトラブルの解消法を知っていれば必要以上に慌てなくてすむ。そこで今回はウエマツに問い合わせがくる事例のなかからいくつか紹介しよう。

クラッチトラブル

【症状】

エンジンがかかっているときにクラッチの切れが悪くなる/ニュートラルに入りにくい/ギヤチェンジの際に抵抗が大きくなる。

【原因】

ワイヤー自体の伸びやアジャスター部の緩みなどにより、クラッチが切れなくなっている/ワイヤーがほつれて切れかかっている/エンジンパーツの熱膨張、オイルが劣化するなど複合的な要因/レリーズ系の部品が劣化/パワーレバーなどへの交換で動きが変わったなど。そのままにしておくと、停車時にクラッチを握っていてもアイドリングしなくなってしまう。

【対処法】

エンジンを冷ます/クラッチレバーのアジャスターを調整する/ワイヤーがほつれていたり、レリーズ部が劣化している場合はできるだけ早く交換する/レバーをノーマルに戻す、などを試してほしい。

エンジントラブル

走行中に突然エンジンが止まってしまいかからなくなる。これはベテランでも焦る症状だ。原因追求フローチャートの流れに沿って原因追求することをお勧めする。

【まず冷静になる】

これは重要。焦ると単純なことも見落としてしまう。実はベテランほど陥りやすい。

【キルスイッチの確認】

【ガソリンの残量と燃料コックの位置を確認】

透明なフューエルフィルターを装着している場合は内部にガソリンが流れているかを見る。

【キーをオンにしてインジケーターランプが点くか】

ここでヒューズ切れやバッテリー上がりの確認をする。

【セルは回るか、キックがスムーズに降りるか】

ここまでやって再始動しなかった場合は、ライダーのスキルによって対応が異なってくる。不安な場合は専門店に連絡してみよう。

トラブルに備えることで絶版車ライフを充実させる

クラッチレバーには上の写真程度の適度な遊びが必要だが、さまざまな要因により下の写真のように遊びが増えてしまうことがある。ホルダーとレバーのすきまは約3mmが適正とのこと
ラッチレバーの根本にあるアジャスターによってクラッチレバーの遊びを調整できる。小さい方のネジで遊び量を調整し、大きなネジで動かないよう固定する
500SSなど2ストローク3気筒系のクラッチレリーズは樹脂製。経年劣化でひび割れていることが多い。こうなると正常な動きは期待できない
メインハーネスが古くなると、コネクター部が溶けたりギボシ部が焼けてしまうことがある。そうなると通電不良を起こし、最悪出火することも。内部での断線もやっかいなトラブルだ
メインハーネスやイグニッションコイル、CDIなどは新品に交換しておくことでトラブルの発生を未然に防ぐことができる。電気は見えないが重要な存在なのだ

新品の電装系でトラブルの原因を減少

絶版車のトラブルの原因になりがちなのが古いメインハーネスやイグニッションコイル、CDIなど。古くなると突然壊れてしまうこともある要注意部位なのです。それらを新品に交換しておくとトラブルの発生自体を減らすことができるほか、トラブルの原因を探るときの絞り込み作業もより早くできるようになります。(ウエマツ整備士)

横田 和彦

バイク歴32年のフリーライター。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へ進み、さまざまなメーカー・排気量のバイクを乗り継ぐ。手元にバイクがなかった時期はなく、現在もツーリングや草レース参戦などを楽しんでいる。







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