絶版車の医学

“絶版車の医学”では、絶版車にありがちな症例を紹介し、その対策を解説していく。アドバイザーは絶版車専門店のウエマツだ

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カワサキバイクマガジンvol.118掲載記事(2016年2月1日発売)
イラスト:市川リョウコ 取材協力:ウエマツ

[第6回]ポイント点火のトラブル

古い点火システムだけにトラブルも起きやすい

ポイント点火といってもピンと来ない人もいるはず。なにせ70年代後半にはイグナイター式(またはCDI)に代わっていき、現代では使われていない方式だからだ。カワサキ車でいうとKH250やZ1000あたりまでが対象となる。

ポイントに不具合が生じると、エンジンの始動性が悪くなる。またアイドリングが不安定になったり、パワーダウンするなどの症状を起こすことも。そのままにしておくと、エンジンがかからなくなったり、点火タイミングがズレて不完全燃焼を起こしカーボンの堆積や、2ストロークの場合はミスファイヤーに加え、そのまま乗ってるとプラグのカブリなどの症状が出る。

Z系のポイント点火装置は右側のクランクエンドに装着されている。中央の部品がクランクとともにまわり、上死点直前でプラグに火を飛ばすのだが、接点やポイントのヒールが減るという特徴がある
ポイント点火の要であるガバナー部。高速回転したときに遠心力で開き、点火タイミングを進角させるのだが、写真のようにサビついてしまうと正確なタイミングで火が飛ばなくなってしまう

古いバイクならではの点火トラブルを解消!

解決法は点火タイミングを調整すること。検電器やタイミングライトなどの専用道具があればキッチリ合わせられるが、目視でもだいたいは合わせられる。そもそもポイント点火は定期的に調整する必要があるもの。自分でやる自信がなければ旧車に強いショップに依頼しよう。

ただしその場合は、定期的に調整する必要が生じる。その手間を省き現代のバイクのようにメンテナンスフリー化したい場合は、思い切って社外品のイグナイター化キットに交換するという方法がある。キットの価格は8万円くらいからで、コストはかかるが、定期的な調整やトラブルから解放されるというメリットは大きい。検討する価値は十分にある方法だと言える。

機械式のポイント点火をデジタル式のイグナイター方式に変更するキットを装着すると非常にシンプルになる。これで正確な点火とメンテナンスフリー化が実現する
ポイントの調整はクランクをメガネレンチで回しながら行なう。刻印で、ある程度合わせることができるが、写真のように検電器をセットすることでより正確に合わせることができる
イグナイター化するASウオタニ製SPⅡフルパワーキットは車種専用設計でイグニッションコイルなど必要な物がセットされている。やや高価だがメリットが多いので導入を検討したいキットだ
さらに正確に点火タイミングを合わせる場合はタイミングライトを使用する。このあたりは絶版車を取り扱っているショップでなければ置いてないことも。もちろんイグナイター化すると必要なくなる

本当に調子がいいエンジンを知っていますか?

絶版車は点火系などにトラブルが起きて調子をくずしていてもオーナーが気付いてないことがあります。聞けば「乗り始めた時からこんなものだった」と。入手した時から完全じゃなかったので本当の調子のよさを知らないんですね。もし少しでも「変かも」と思ったら一度相談に来てください。当店で購入したバイクでなくても、経験豊富なメカニックがしっかりとチェックいたします。(ウエマツ整備士 岩田さん)

横田 和彦

バイク歴32年のフリーライター。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へ進み、さまざまなメーカー・排気量のバイクを乗り継ぐ。手元にバイクがなかった時期はなく、現在もツーリングや草レース参戦などを楽しんでいる。







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