絶版車の医学

“絶版車の医学”では、絶版車にありがちな症例を紹介し、その対策を解説していく。アドバイザーは絶版車専門店のウエマツだ

[PR] YOSHIMURA

カワサキバイクマガジンvol.122掲載記事(2016年10月1日発売)
イラスト:市川リョウコ 取材協力:ウエマツ

[第10回]ミッションのトラブル

トラブルは起きにくいが、万一の時は負担が大きい

ミッション(トランスミッション)は通常、トラブルは起きにくい。しかし、距離を走っている車両が多い旧車の場合は起きることもある。

症状としては

  • シフトペダルの動きが悪い
  • ギヤ抜けがひんぱんに起きる
  • ニュートラルが出にくい
  • 異音がするなど

ただしシフトリンクやクラッチなどが原因の場合もあるので、順番にチェックしていきたい。

「ミッションがトラブルを起こす原因は、オイル交換の不備による摩耗促進・シフトペダルのガタやラフな操作による不十分なギヤチェンジの繰り返しなどが考えられます。そのままにしておいても、自然に直ることはありません。むしろ二次曲線的に悪化し、ギヤ抜けしやすくなります。最悪の場合はギヤが欠けて破片を噛み、リヤタイヤがロック→転倒、ということも起きかねません」

こう語るのはウエマツ岩田整備士で、対処法は3種あるという。

「1つは単品、もしくはセットで新品に交換することです。確実な反面コストがかかります。また、新品が販売されているかどうかも関わってきます。その2は中古パーツへの交換です。破損する場所は共通していることもあるので注意してほしいです。中古パーツはまだ出ますし、当社も多く在庫しています。その3はリペア。舐めた部分を溶接して整形し直す方法です。よくある修理法ですが対応できるギヤは限られます」

ささいな事がミッションに負担をかける

トラブルを起こさないための対策としては、定期的なオイル交換(4ストローク・3000km/2ストローク・5000kmが目安)の他、ピロボールなどを使いシフトまわりのガタを減らし、確実なギヤチェンジができるようにするなどだ。

パワーがあるバイクは内部も摩耗しやすい。しっかりクラッチを切って確実にギヤを入れることを心がけるだけでも、摩耗を最小限に抑えることができることも覚えておこう。

数々のミッション系トラブル

オイル交換で状態がわかることもある

「廃油をチェックすることで中の状態がわかる場合もあります。アルミ以外の金属が大量に混ざっていたら、ギヤが一気に摩耗した可能性があります。もし金属片が入っていたら重症ですから。2ストロークのミッションオイルは、交換を忘れがちなので注意したいですね。当社には中古パーツを多く在庫しています」

横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




人気記事





カワサキイチバン