ヨシムラ
純正パーツが欠品している旧車は早めの対処が重要
いまだに根強い人気を誇るマッハシリーズ。2ストローク空冷3気筒という独特なエンジンレイアウトを持っているがために、トラブルも独特なものが多い。今回は時間の経過によって起きやすいクラッチトラブルについて話を聞いた。
トラブルの症状は
- 走行中にギヤチェンジしにくい
- 停車中、ニュートラルに入りにくい
- ワイヤーを調整しても、またすぐにギヤが入りにくくなってしまうなど
しかもそれらの症状はいきなり発生するのではなく、徐々に進行していくところが厄介だといえる。
原因の一つは、純正クラッチレリーズが経年劣化して削れたり割れたりすること。もう一つはシフト部分を構成しているパーツが消耗しガタが生じていること。手でシフトペダルを動かした時、ロッドやペダルだけが大きく動くようなら危険信号だ。
そのまま乗り続けているとクラッチが完全に切れなくなり、信号待ちでクラッチレバーをにぎってもアイドリングしなくなったり、ギヤ抜けが頻発してミッションの一部が削れ、抜けグセがついてしまう。ミッションは純正パーツでは新品が出ないので、抜けグセがついてしまってから修理しようとすると出費も大きくなってしまうので、できるだけ早い対策が必要となる。
純正パーツの弱点を社外品でカバー
対処法の基本はクラッチレリーズの交換だが、その場合は作動精度と耐久性が格段に高い社外品の金属製を勧めるという。またシフト部のガタについては可動部をピロボール化することで遊びを大幅に減らすことができる。さらに言うならばピロボールへの交換はすべての旧車に対して有効な方法なので覚えておいて損はない。ミッションを守るために今はまだ症状が出ていない人も確認して対処してもらいたい。
新品がないミッションは社外を活用
ミッションに抜けグセがついてしまうと気持ちよく走れませんが、マッハ系のミッションはすでに廃盤となっています。社外品では新品のミッションはありますが非常に高価。その社外品でも、品質を確かめてから使用できるかどうか判断し、選別したうえで使用しています。(ウエマツ)
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。