カワサキテクノロジー

カワサキ車が採用するさまざまなテクノロジーを解説・インプレッション。

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ヨシムラ

電サス・電スロ以外にもまだまだある! カワサキの主要電子制御機能をまとめて紹介。乗り手をアシストする充実の装備

より楽しく走れるようにライダー好みに仕上げる

カワサキクイックシフター(KQS)はクラッチレバーをにぎらずにギヤチェンジができるシステム。作動するのは2,500rpm以上で、シフトアップ時にはアクセルを開け、ダウンではアクセルを閉じる。また、変速後は速やかにシフトペダルを中立に戻すなどいくつかの注意点がある。とはいえ、すぐに慣れるレベルだ。

低回転域ではまれに息継ぎしてしまうことがあったため、ギヤを変えても回転が下がりすぎないよう4,000rpm以上で操作するよう意識したら問題は生じなかった。KQSを使った時のシフトショックを感じず、なめらかに加速していく感覚は、一度体験すると病みつきになる。シフトダウンの時にはハデにブリッピングせずスムーズに減速するのもよい。ギヤチェンジしてもギクシャクしにくいのでタンデムでも有効だ。このギクシャク感が低減するということは、ライダーとタンデマーのヘルメットがぶつかるのを防止するだけでなく、ロングツーリング時の疲労を軽減することにもつながる。

パワーモードの切り替えも便利な機能だ。Ninja H2 SX SE+の場合、“M(ミドルパワー)”では、体感的にはNinja 1000などのビッグツアラーに近いパワーフィーリング。“F(フルパワー)”にすると高回転域までパワフルに伸びていき過給機エンジンの本領発揮!といった印象だ。パワーモードを変えても低〜中回転域のトルク感は大きく変わらない。“L(ローパワー)”にすると、アクセルを開けたあとから、追いかけてくるように回転が上がる。普通ならダルく感じるくらいのレスポンスだが、雨天時やツーリング終盤の疲れたときなどには有効かと思う。

エンジンブレーキの効き具合を調節できるKEBCは、走る場所によって違いが感じられた。市街地では普通にエンジンブレーキが効く状態(OFF)で問題なかったが、峠道では減速力が強すぎてイメージどおりに走れないこともあった。そこでエンブレが緩和される“Light”モードにしてみると、リズムが取りやすくなってストレスが軽減された。もちろん乗り方によって受け取り方が違うと思うので、ぜひ両方を試してほしい。

KIBSは非常に高精度なABSシステムだ。きめ細やかな制御によりブレーキの限界域でもレバーがガクガクすることなく、なめらかな操作感が得られる。驚くのはコーナーリング中にブレーキをかけた時だ。通常ならバイクが急に起き上がるなどバランスをくずしがちだが、KIBS搭載車は挙動を乱しにくいという。恐怖心もあってなかなかトライしにくい操作だったが、思い切ってブレーキをかけてみると車体姿勢が乱れずバンク角そのままに速度が落ちた。徐々ににぎる力を強くしてみたが、自然に減速しラインを変えることもできた。これなら見通しの悪いコーナーの途中に障害物を発見した時も無事に回避できる可能性が大幅に高まると感じた。

公道では安全運転が大前提だが、何が起きるかわからないのも事実。突然のアクシデントに遭遇したときライダーをサポートしてくれるシステムの装備は大歓迎だ。

[KQS]カワサキクイックシフター

クラッチ操作をすることなくすばやいシフトアップとシフトダウンを実現するシステム。なめらかな加減速をすることができる。シフトアップの時はアクセルを開けた状態で、またシフトダウンのときはアクセルが閉じていることが作動条件となる。エンジン回転数が2,500rpm以下ではシフトアップ、ダウンともに正しく作動せず、レッドゾーン付近ではシフトダウン機能が働かない。またクラッチをにぎってもシステムは作動しない。

[POWER MODE]パワーモード

パワーモードでは3種類の出力特性が選択できる。“F(フルパワー)”は最高出力を発揮するモード。スーパーチャージドエンジンが持つ性能をいかんなく発揮する。“M(ミドルパワー)”では75%程度の出力特性となるが、低中回転域のフィーリングは大きく変わらず高回転域が抑えられている印象だ。“L(ローパワー)”は出力が全体的に50%程度になると同時に、スロットル操作に対してのレスポンスも穏やかになる。

カワサキ パワーモード

Ninja H2 SX SE+は、インテグレイテッドライディングモード機能では“SPORT”“ROAD”“RAIN”で決まったパワーモードに変化する。任意でパワーモードを設定するには“RIDER”を選ぶ

[KEBC]カワサキエンジンブレーキコントロール

エンジンブレーキはスロットルを戻した際にエンジンの回転数が落ちるにしたがい発生する減速力のことで、一般的には、それを調節することはできない。しかしNinja H2 SX SE+では“Off”と“Light”の2種が選べる。この場合の“Off”とは、エンジンブレーキが効かなくなることではなく、一般的なバイクと同じように自然に速度が落ちていく状態になること。そして“Light”にするとスロットルを戻した時の減速力が弱まる。

カワサキ KEBC

液晶メーター上のメニューモードでKEBCの設定が可能。選べるのは“Light”と“Off”の2種類だが、その体感度は大きく異なる。どちらがよいかは走る場所やライダーの好みによって違ってくるはずなので、実際に走って設定してもらいたい

[KIBS]カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム

一般的にABSといえばタイヤのロックを回避するシステムだが、それをさらに進化させたのがKIBSだ。前後ホイールの回転数差だけでなく、フロントキャリパーにかかる油圧やECUからの多様な情報を解析。標準的なABSシステムよりも細かい油圧コントロールを行ない、なめらかな操作フィーリングを実現する。またIMUからの情報によりコーナーリング中にブレーキをかけても車体が起き上がらない機能も備えるなど、より高性能化したシステム内容になっている。

カワサキ KIBS

通常、コーナーリング中にブレーキをかけることはあまりない。しかしカーブの途中に障害物を発見したときなどは別。なんとか回避しようとするとき、挙動を乱さずに減速できれば成功率もあがる。安全性を高めるシステムなのだ

問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




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