ヨシムラ
ここ数年、積極的にモデルチェンジしたり、新規モデルを新発売したりしているカワサキ。その勢いそのままにニンジャ400が大きくモデルチェンジした。注目ミドルの走行性能を和歌山利宏がチェックする。
※本記事はカワサキバイクマガジンvol.106(2014年2月1日発売)掲載記事を再構成したものです。
国内専用車は作り込みも国内専用
2014年モデルでフルモデルチェンジされたニンジャ400R。新型のネーミングはニンジャ400だ。前モデルのように末尾にRは付かないが、全面的に見直された後継型であることに違いはない。
そして、前モデルも14年型もニンジャ650(2011年式まではER-6f)をベースにしているが、前モデルは2011年式までのER-6fを、14年型は2012年式としてフルモデルチェンジされたニンジャ650をベースとしている。ニンジャ400のベースとなったニンジャ650は、ER-6fよりも、すべてがはるかに高水準化されている。
エンジンはトルク特性もレスポンスも洗練されスムーズで、また、後部がバックボーン式となったフレームによって、下半身がスリムに収まるだけでなく、ピボットまわりが適度にしなり、ニュートラルで胸がすくような高い旋回性を発揮。ネイキッドの兄弟機種ER-6nと比べると快適安定性指向であるとはいえ、スポーティに楽しめるミドルストリートスポーツとなっている。
そうなると、14年型ニンジャ400も、前モデルから操作性も運動性も、そして楽しみ方の幅も含め、ニンジャ650と同様に、高水準化されていると考えていいことになる。事実、そのとおりだ。
でも、単純にそれで終わっていないのが、ニンジャ400のすばらしさでもある。それは、400専用の作り込みを受け、650とは異質なものであるからに他ならない。
ライディングポジション
引き起こし
取りまわし
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和歌山 利宏
バイクジャーナリスト。バイクメーカーの元開発ライダーで、メカニズムからライディングまで、自身の経験にもとづいて幅広い知識を持つ。これまでに国内外問わず、車両のインプレッションも数多く行なっている。