ヨシムラ
しばしば誰も予想しないマシンで鈴鹿8耐に参加するチームがある。このZRX1100もそんな1台である。こだわったのは、自分たちが作ったバイクでどこまで通用するかということ。カワサキ・ネイキッドレーサーとして記憶に残る1台だ。
スーパースポーツに挑んだモンスター・ネイキッド
最新スーパースポーツでの参加があたり前となっている鈴鹿8時間耐久ロードレースに、あえてバーハンのネイキッドでエントリーして戦いを挑む。そのようなことを実際に行なったのがカワサキ社内のクラブチーム、チーム38だ。同じ年にカワサキワークスが鈴鹿8耐に持ち込んだのがZX-7RRだと聞けば、公道をメインステージに想定したリッターネイキッド、ZRX1100での参戦がいかにチャレンジングなことかわかると思う。
自分たちが作ったバイクがどこまで通用するのかを実際に試す意味でも、チーム38は時々想定外のバイクでレースに参加する。その一例がこのZRX1100による鈴鹿8耐参戦なのである。
各部にカワサキ社員ならではの作り込みがなされ、耐久レーサーとなったZRX1100。ネイキッドだからという妥協をいっさい感じさせない仕上がりは見る者を強く刺激する。これもカワサキのネイキッドレーサーの歴史に残る一台だといえる。
■1998年鈴鹿8耐・リザルト:決勝27位
■ライダー:山下繁/神宮圭史郎
チーム38・ZRX1100の主なカスタム内容
| エンジン総排気量 | 1,052cm3(ノーマル) |
|---|---|
| ピストン | ZZR1100 |
| シリンダーヘッド | 吸排気ポート研磨 |
| プラグ | NGK(熱価10番または11番) |
| プラグコード | ノーマル |
| カムシャフト | ビート |
| バルブ | ZZR1100 |
| コンロッド | ZZR1100 |
| クランクシャフト | ZZR1100 |
| トランスミッション | ビート |
| クラッチ | ZZR1100 |
| オイルクーラー | なし |
| ラジエター | ZX-7RまたはSB用2層式 |
| エアクリーナー | なし |
| キャブレター | FCRφ41mmまたはFCRφ39mm |
| エキゾーストパイプ | ビート |
| サイレンサー | ビート |
| ホイール | (F)マルケジーニ 3.75-17 (R)マルケジーニ 6.75-17 |
| Fブレーキ | キャリパー:ノーマル ローター:ノーマル マスター:ノーマル |
| Rブレーキ | キャリパー:ZXR750 SBキット ローター:ZXR750 SBキット マスター:ノーマル ブレーキホース:ステンレスメッシュ |
| Fフォーク | ノーマル(セッティング変更) ブラケット:ノーマル補強 |
| ハンドル | バリオス加工 |
| ステアリングダンパー | オーリンズ |
| スイングアーム | ノーマル補強 |
| チェーンアジャスター | ZXR750 SB |
| Rショック | オーリング |
| スプロケット | ドライブ:16丁 ドリブン:39丁 |
| フレーム | ノーマル補強(ヘッドパイプ下、ピボットまわり) |
| ビキニカウル | フレームマウントに変更 |
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。













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