カスタムマシン

創り手の想いがふんだんに盛り込まれた、カワサキ車ベースのカスタムマシンを紹介

Z H2 by ウィリー

強大なパワーを活かすレーシングZ H2

Z H2 by ウィリー

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ヨシムラ

カワサキネイキッドの新たなる旗艦Z H2。ウィリーが製作したこのカスタムマシンは、今までにない高い動力性能を存分に活かすべく、サーキットとストリートの二段構えで楽しむためのマシンだ。

ストリートとサーキット二つの顔を持つZ H2

このZ H2のオーナーはキャリアの長いアマチュアレーサー。九州在住で、オートポリスで開催されるワン&ツー フェスティバルで600㏄クラスのスーパースポーツを走らせてきた。サーキット走行に適した600㏄スーパースポーツだが、実は乗りこなすのには高いスキルが必要なのだ。その理由は、低中回転域のトルクがリッタークラスに比べて小さいこと。こればかりは排気量の物理的限界だから致し方ない。

ならばとオーナーが考えたのが、軽量な車体に強力なエンジンを組み合わせたオリジナルマシン。当初はZ900RSの車体にニンジャZX-10Rのエンジンを搭載したマシンの製作を、ウィリー代表の富永保光氏に打診したのだという。レギュレーションの幅が広いワン&ツー フェスティバルを主戦場としているからこその発想といえよう。だが、その状態で車検を取得し、街乗りにも使いたいとの要望もあった。

オリジナルフレームの製作実績も多いウィリーであれば、技術的には十分実現可能なプランといえる。だが、コスト面はかなり高額になることが予想された。そこで富永氏が出した代替案がZ H2のレーサー化だ。スーパーチャージドエンジンなのでパワーは十分。それにも関わらず200万円を切る車両本体価格も、ベースマシンとして大きな可能性を感じるものだった。

Z H2 by ウィリー

小柄なオーナーに合わせてハンドル位置を下げ、ライディングポジションを最適化。サーキットでのハイスピード走行に対応させるために、レオパルドでオリジナルのカウルも製作された。オーナーはストリートファイタースタイルのZ H2のフォルムに不満があるそうで、今後はテールカウルのモディファイを考えているという。

まだ、マシンが組みあがったばかりの状態だが、この春に開催されたワン&ツー フェスティバルに参戦した。セットアップはまだまだとのことだが、パワーのすさまじさは確認できたそうだ。熟成が進めばさらに戦闘力が高まるはず。今後の進化が楽しみだ。

Z H2 レース仕様

Z H2 by ウィリー

ワン&ツー フェスティバル参戦時の姿。レース仕様といっても、保安部品を取り外してレース用の外装を装着しただけ。公道仕様からの変更にかかる時間は1時間にも満たない。外装の着脱が実に簡潔で効率的、非常によく考えられた設計がなされている。レースとストリートをコンバーチブルにしたいという、オーナーの要望を見事に実現している。サーキットを身近にしてくれるカスタムだ。


マシンギャラリー

問い合わせウィリー
住所宮崎県宮崎市大字上北方24-1
電話番号0985-27-7785
URLhttps://wheelie.jp
淺倉 恵介

フリーランスライター&エディター





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