レーシングマシン紹介

カワサキ歴代のレーシングマシンを紹介。レーサー独自の機能美溢れる佇まいから垣間見える、技術者たちの魂の結晶を特とご覧あれ!

鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998)

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ヨシムラ

しばしば誰も予想しないマシンで鈴鹿8耐に参加するチームがある。このZRX1100もそんな1台である。こだわったのは、自分たちが作ったバイクでどこまで通用するかということ。カワサキ・ネイキッドレーサーとして記憶に残る1台だ。

スーパースポーツに挑んだモンスター・ネイキッド

最新スーパースポーツでの参加があたり前となっている鈴鹿8時間耐久ロードレースに、あえてバーハンのネイキッドでエントリーして戦いを挑む。そのようなことを実際に行なったのがカワサキ社内のクラブチーム、チーム38だ。同じ年にカワサキワークスが鈴鹿8耐に持ち込んだのがZX-7RRだと聞けば、公道をメインステージに想定したリッターネイキッド、ZRX1100での参戦がいかにチャレンジングなことかわかると思う。

自分たちが作ったバイクがどこまで通用するのかを実際に試す意味でも、チーム38は時々想定外のバイクでレースに参加する。その一例がこのZRX1100による鈴鹿8耐参戦なのである。

各部にカワサキ社員ならではの作り込みがなされ、耐久レーサーとなったZRX1100。ネイキッドだからという妥協をいっさい感じさせない仕上がりは見る者を強く刺激する。これもカワサキのネイキッドレーサーの歴史に残る一台だといえる。

■1998年鈴鹿8耐・リザルト:決勝27位
■ライダー:山下繁/神宮圭史郎

鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998)

歴史的な名車であるZ1000S1の遺伝子を受け継いでいることを感じさせるスタイリングのZRX1100鈴鹿8耐仕様。バーハンドルをねじ伏せながら豪快に走る姿にカワサキファンは熱くなった

鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998) バーハンドル

特徴の一つであるバーハンドルは、実はバリオスのものを加工して使用している。いわばカワサキの純正流用カスタム。カワサキ社員ならではの手法といえよう

鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998) スイングアーム

純正のエキセントリック式からスーパーバイク仕様のチェーンアジャスターに変更されたスイングアーム。車高の変化を最小限に抑えるため採用したのではないかと推測できる

鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998) クイックチェンジ機構

通常はタイヤのクイックチェンジ機構を採用し、短時間でタイヤ交換を終える耐久レーサーだが、チーム38はそのシステムを使わずにキャリパーを外して作業を行なったという

鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998) エンジン
鈴鹿8耐 チーム38・ZRX1100(1998) エンジン
ピストンやクランクシャフトにはZZR1100用を使うなど、エンジンも純正流用改がほどこされる。左側の写真ではキャブレターカバーに“川崎重工”の文字が入ったボックスを装着している

チーム38・ZRX1100の主なカスタム内容

エンジン総排気量 1,052cm3(ノーマル)
ピストン ZZR1100
シリンダーヘッド 吸排気ポート研磨
プラグ NGK(熱価10番または11番)
プラグコード ノーマル
カムシャフト ビート
バルブ ZZR1100
コンロッド ZZR1100
クランクシャフト ZZR1100
トランスミッション ビート
クラッチ ZZR1100
オイルクーラー なし
ラジエター ZX-7RまたはSB用2層式
エアクリーナー なし
キャブレター FCRφ41mmまたはFCRφ39mm
エキゾーストパイプ ビート
サイレンサー ビート
ホイール (F)マルケジーニ 3.75-17
(R)マルケジーニ 6.75-17
Fブレーキ キャリパー:ノーマル
ローター:ノーマル
マスター:ノーマル
Rブレーキ キャリパー:ZXR750 SBキット
ローター:ZXR750 SBキット
マスター:ノーマル
ブレーキホース:ステンレスメッシュ
Fフォーク ノーマル(セッティング変更)
ブラケット:ノーマル補強
ハンドル バリオス加工
ステアリングダンパー オーリンズ
スイングアーム ノーマル補強
チェーンアジャスター ZXR750 SB
Rショック オーリング
スプロケット ドライブ:16丁
ドリブン:39丁
フレーム ノーマル補強(ヘッドパイプ下、ピボットまわり)
ビキニカウル フレームマウントに変更
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




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