THE MINORITY

伝説の名車だけがカワサキではない。あふれる個性を持つカワサキのマイノリティ(少数派)たちを紹介

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カワサキバイクマガジンvol.037掲載記事(2002年8月1日発売)

250ccシングルの金字塔

カワサキの歴史の中で、「オンロード・4サイクル・単気筒」のモデルというのは、そう多くはない。例をあげるならばカワサキ250メグロSGT(1964)、Z200(1977)、Z250FS(1982)といったところで、カワサキの中ではまさにマイノリティなカテゴリーと言えるだろう。しかしそういったジャンルにも高い完成度を誇る名車は存在し、その最高峰とも言えるモデルが1985年に登場した250CS(カジュアル・スポーツ)なのである。

このバイクの魅力はなんと言ってもそのスペックだ。CSのエンジンは前年にリリースされたオフロード車のKL250Rをベースとしており、キャブレターの大径化(φ34→φ36mm)によりパワーアップさせたものである。このエンジンが生み出す最高出力は34ps/10000rpmというハイパワーで、同クラスの2気筒エンジンと同等かもしくは凌駕するもの。レース用でないオンロード車で、このスペックを超える250ccシングルエンジンはいまだ登場していないということからも、いかにこれが優れているかがうかがえるだろう。単気筒を搭載するフレームとしてはシングルクレードルやセミダブルクレードルが一般的だが、CSではダブルクレードルを採用しそのパワーもしっかりとホールド。なおかつ乾燥重量は118kgという驚異的な軽さで、「カジュアル・スポーツ」というおとなしげなネーミングとは裏腹にアグレッシブな動力性能を存分に秘めたマシンであった。

それ以降250cc単気筒のロードモデルは、エストレヤに代表されるレトロ系に移っていく。パワーよりも乗り味や鼓動感が重視されるようになることもあって、CSの34psという最高出力はまさに金字塔。「250ccシングル最強」という名を欲しいままにしながらも知名度が低い、隠れた名車なのである。

[KL250R]250CSの心臓部であるハイパワーエンジンは、前年にリリースされたオフロード車、KL250Rをベースとしたもの。4サイクルオフロードモデルとしては初のディスクブレーキを採用したモデルで、28psのスペックも当時クラス最強のものだった

クォーター・GPZ1000RX?

250CSのカタログを読んでみると「ウェットライナーや大径4バルブ、φ36∆のビッグボアキャブレターなどはGPZ1000RXのパワーシステムを受け継いだ」という説明文が目に入る
GPZ1000RXとは、GPZ900Rが奪われた世界最速の座を奪還するために開発されたモンスターマシン。エンジンのボア×ストローク値は74×58mmなのだが、実は250CSのボア×ストロークもまったく同じ数値なのだ。こうなると「GPZ1000RXのエンジンを4分割?」と思いたくなってくるのがカワサキ乗りのサガ。CSの驚異的なハイパワーも、「クォーター・RX」と思えば納得。250CSには、こんな憶測をさせてしまう素性のよさがあるのだ

250CS SPEC

●全長×全幅×全高:1,970×700×1,025(mm) ●軸間距離:1,340mm ●乾燥重量:118kg ●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC単気筒 ●排気量:249cc ●ボア×ストローク:74×58(mm) ●圧縮比:11.0 ●最高出力:34ps/10,000rpm ●最大トルク:2.5kg-m/9,000rpm ●燃料タンク容量:12L ●発売当時価格:38万9,000円




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