THE MINORITY

伝説の名車だけがカワサキではない。あふれる個性を持つカワサキのマイノリティ(少数派)たちを紹介

[PR] YOSHIMURA

カワサキバイクマガジンvol.044掲載記事(2003年10月1日発売)

1989 天涯

遥か地平線の向こう側へ

「GPZ」などのアルファベット表記や「ゼファー」などの外国語をつけられるのがほとんどの日本車のネーミング。日本語の名前を持つバイクというのは意外と数少ないものだ。

今回紹介するバイクも数少ない中の1台で、とにかく車名にインパクトのあるバイクである。国語の辞書を引くところによると「①空の果て ②遠く離れた他国」そんな雄大な名前を持つビッグシングル・ツアラー、それが「天涯」だ。この一度聞いたら忘れられないネーミングのおかげで、普段はまず見ることのないマイナー車の割には意外と知名度があったりするという、不思議なバイクでもある。

ベースマシンとなったのはビッグオフローダーのKLR650。フレームマウントのフルカウルやダウンフェンダーを採用し、ジャンルとしてはいわゆる「オールラウンドツアラー」や「デュアルパーパス」などとして分類される。

燃料タンクは23Lという大容量を持ち、エンジンは水冷DOHC4バルブ。カウンターバランサーを装備し快適な乗り心地も追求されていた。リヤサスにはカワサキお得意のユニトラックサスを採用。とにかく長距離走行を考慮した車体構成で、メインマーケットのヨーロッパではツアラーとしての用途が圧倒的に多かったという。

特徴的なカウリングのデザインはイタリアの有名スタジオが手がけたもの。漢字の「天涯」ロゴと相まって、発売から10年以上が経つ現在においてもそのスタイリングはなお新鮮だ。

そんな魅力にあふれた天涯だが、インターネットのオークションや中古車市場を見る限り、「日本国内には数えるほどしか存在していない」というウワサが、あながち間違いではないということがわかる。業界の流行など及ばぬはるか向こう側、まさに名前どおり「空の果て」を走り続けるマイノリティの中のマイノリティ、それが天涯なのだ。

[KLR650]ベースとなったKLR650は、ボア×ストロークや圧縮比などエンジンスペックは天涯と同様ながら、アップフェンダーや軽快感のあるカウルを装備するオフロードがメインの車両だった。天涯と同じくかなりのマイノリティではあるのだが、なんとこちらはいまだに現役。アメリカやカナダ、オーストラリアなどに輸出され、貴重なデュアルパーパスモデルとして活躍している

カタログCheck!

天涯は輸出車のため、カタログはもちろん英語表記。「TENGAI」というアルファベット表記もなかなかにカッコよいのである。パリダカ出場経験もあるラリーレイドなバイクだが、表紙の走行シーンはアスファルト上。カワサキとしてはやはり「オールラウンドツアラー」としてカテゴライズしていたのだろう

天涯カタログ

天涯カタログ

天涯 SPEC

●全長×全幅×全高:2,220×920×1,300(mm) ●軸間距離:1,480mm ●車両重量:159kg ●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒 ●排気量:651cc ●ボア×ストローク:100×83mm ●最高出力:48ps/6,500rpm ●最大トルク:5.6kg-m/5,500rpm ●輸出車







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