ヨシムラ
車種を問わず、良好なコンディションを維持するためには、定期的な点検整備が必要である。安全運転講習会などでレクチャーされるネン(燃料残量)オ(オイル量)シャ(車輪)チ(駆動系)エ(エンジン本体)ブ(ブレーキ系統)ク(クラッチ操作系)トウ(灯火類)バ(バッテリー)シメ(各部の締め付け)は、走り出す前にチェックする項目を意味する。それ以外の部分は、バイクショップで点検整備してもらう。具体的には、スロットルケーブルやクラッチケーブルの摩耗、点火系や電装系パーツの機能、ECUのエラー有無など。
その他、車種固有の点検整備項目もある。たとえば、燃料系統に電磁ポンプを採用しているモデルだ。ZZR1100、ZZR400、エリミネーター250Vなどがそれで、燃料ホースが6か月ごとの定期交換部品に指定されている。その理由は、ホースの劣化部分や亀裂などから揮発したガソリンが外へ出てしまい、場合によっては引火する恐れがあるからだ。その火種となるのが、電磁ポンプの自動ON/OFFスイッチング時にどうしても発生してしまう接点火花。これは電磁ポンプのメカニズム上、どうしてもなくすことができないもので、電磁ポンプがキャブレターに近い場所へレイアウトされているモデルでは、揮発したガソリンのモレによる引火の予防策として、燃料ホースを定期交換部品としている。燃料ホースの劣化具合は、目視で判断できないこともあるから、一見して問題がなさそうでも6か月ごとに交換するしかない。
自身の愛車に定期交換部品があるか、それ以外にも劣化などで交換しなければならない部品があるかなど、カワサキの正規取扱店にて確認いただきたい。
KAZU 中西
1967年4月2日生まれ。モータージャーナリスト。二輪雑誌での執筆やインプレッション、イベントでのMC、ラジオのDJなど多彩な分野で活躍。アフターパーツメーカーの開発にも携わる。その一方、二輪安全運転推進委員会指導員として、安全運転の啓蒙活動を実施。静岡県の伊豆スカイラインにおける二輪事故に起因する重大事故を撲滅するための活動“伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦"の隊長を務める。過去から現在まで非常に多くの車両を所有し、カワサキ車ではGPZ900R、ZZR1100、ゼファーをはじめ、数十台を乗り継ぎ、現在はZ750D1に乗る。
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