ヨシムラ
2016年11月にイタリア・ミラノで開催されたEICMA2016にて発表されたZ900。Z800の後継モデルとしてZシリーズに加わっていたZ900が、2018年4月2日より満を持して国内販売を開始する。
販売価格は95万400円で、先に登場しているZ900RSと比べ34万5,600円安い設定となっている。
カラーリングはライムグリーンのフレームとリムストライプが目を引くパールミスティックグレー×メタリックスパークブラックと、スポーティな印象のキャンディパーシモンレッド×メタリックスパークブラックの2色をラインナップする。
カワサキ伝統のマジック9を受け継ぐZ900
Z1から続くカワサキ伝統の900ccエンジンを搭載するZ900。このエンジンはZ900RSにも用いられているもので、ボア×ストローク=73.4×56(mm)の設定を同じくする948ccの水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4気筒エンジンだ。
Z900RS
Z900RSでは圧縮比が10.8という低めの値に設定されているが、Z900では中回転域での扱いやすさと6,000rpm以上のレスポンスの鋭さを重視し、圧縮比を11.8に設定。その結果、最高出力はZ900RSよりも14PS高い、92kW(125PS)/9,500rpmを発揮する。
シャシーにはトレリスタイプのフレームに、インナーチューブ径φ41mmの倒立フロントフォーク、新設計のアルミ製スイングアーム&ホリゾンタルバックリンクサスペンションを組み合わせている。また、ブレーキはフロントにφ300mmダブルディスク&ニッシン製対向4ポットキャリパー、リヤにφ250mmシングルディスク&片押し1ポットキャリパーを採用。車両重量は210kgに抑えられており、Z1000よりも10kg軽量に仕上げられている。
さらに、“五感を刺激する”パフォーマンスを追求するZシリーズらしく、専用ルームでの音響試験を経てエアボックスを設計し、ライダーが吸気音を聞き取りやすいよう吸気口をあえて上向きにするなど、Z1000と同じく吸気音の演出にもこだわられている。
Z1000がZシリーズのフラッグシップモデルとして、過激とも取れるスタイリングと走行性能が与えられているのに対し、その弟分であるZ900は、Zシリーズらしい“凄み”と扱いやすさのバランスが追求されているモデルと言えるだろう。