2018年モデル Z900(ZR900B) 試乗インプレッション
コンパクトな車体に秘められた高い運動性能と、それを容易に引き出せるフレンドリーさがZ900の魅力のひとつ。初めて走る峠道ですらストレスなく軽快に駆け抜けていく

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名車のイメージを継承したスタイリングを持つZ900RSのデビューはセンセーショナルなものだった。一方、そのZ900RSの兄弟車ともいえるZ900は普通に受け入れられた印象だ。同じ排気量のネイキッドだが、その性格はまったく異なるものだった。

新たなZ伝説を紡ぐスポーツネイキッド

Z900という言葉を聞くと、多くの人が往年の名車・Z1をモチーフにしたZ900RSを思い浮かべるだろう。だが今回乗ったモデルは“RS”がないZ900。実は海外ではZ900RSより早く発売されていて、Z900RSの開発ベース車にもなったモデルなのだ。Z900RSの発売後、日本デビューとなったストリートファイター系のフォルムを持つスーパーネイキッドは、発表された時から話題沸騰していたZ900RSに比べると、Z900の話題性はそれほどでもない。ぶっちゃけて言うとZ900RSの影に隠れてしまっている。しかしそのスタイリングは“Sugomi”デザインを採用し、ひと目でカワサキのスーパーネイキッドだということがわかるほど個性的だし、スペックはZ900RSを上回っている。登場するタイミングの問題でちょっと注目度が低くなってしまった不遇なマシンではあるが、ここでは他車同様に1,000kmを実走し、Z900の実力を冷静に判断してみたい。

なんといってもここがポイント
Z900とZ900RS
Z900とZ900RS/カフェは同じボア×ストロークを持つ水冷並列4気筒エンジンや、近い形状の軽量コンパクトなフレームを持つ兄弟車。しかし2台のスタイリングはまったく異なっている。ここまでイメージが違うモデルに仕上げるのもスゴイことだが、ハンドリングなどの乗り味もまったく違っている。今回の試乗を通して、基本コンポーネントを共通としながらも、異なるベクトルの最高峰を作り上げるカワサキの開発力にあらためて感服した。

またがって最初に感じたのは排気量を感じさせないコンパクトさ。バーハンドルが低めで、ライダーに近いこともあり、Z900RSよりもずっとコンパクトなバイクに感じる。シートは前が下がっていてキュッと絞られている。足着きは良好だが、ロングランで腰に影響が出ないか気になるところだ。ステップ位置は絶妙で、ツーリングからスポーティな走りにまで幅広く対応してくれそうなライディングポジションだ。

いつも通り早朝に編集部を出るとすぐに高速道路へとアプローチ。交通量が少ないうちに距離を稼ぐ作戦である。Z900RSよりも車体は軽く、パワフルなエンジンを搭載しているZ900のライディングフィールは、一言で言うと排気量を感じさせない軽さに満ちている。アクセルを開けた瞬間のパワーの出方もなめらかかつ力強いので、無理せずとも積極的にアクセルを開けて車体をコントロールできるのだ。

高速道路ではカウルがないため風圧を強く感じるが、軽い前傾姿勢ということもあり苦になるほどではない。倒立フロントフォークとホリゾンタルバックリンク式リヤサスペンションの動きがよく、路面の凹凸をうまく吸収してくれるのも快適な走りを実現してくれる要因だ。かなり優秀な高速走行性能を持っているマシンだと感じた。

排気量が900ccもあれば余裕で長距離も移動できる。カウルがないことが懸念ではあったが、380kmほどの高速道路の旅は思いの他疲れなかった。ここまではシート形状の影響もなくお尻が痛くなっていない。

レバー操作性
2018年モデル Z900(ZR900B) レバー操作性
ブレーキレバー、クラッチレバーともに5段階のアジャスターが付いているため、操作しやすい位置にセットできる。またアシスト&スリッパークラッチを採用しているのでクラッチ操作はかなり軽く、握力が弱い人はもちろん長距離ツーリング時や渋滞にハマっても疲れにくい
ヘルメットホルダー
2018年モデル Z900(ZR900B) ヘルメットホルダー
ちょっとバイクから離れるときに重宝するヘルメットホルダー。マフラーなどと接触することなくロックできる。とはいえこれは短時間のものと考えておいたほうがよい。高価なヘルメットを盗難や雨などから守るなら、持ち歩いたりワイヤーロックを追加することをお勧めしたい
メーター視認性
2018年モデル Z900(ZR900B) メーター夜間表示
2018年モデル Z900(ZR900B) メーター昼間表示

近未来的なデザインの多機能メーターを採用。センターのタコメーターはアナログスタイルのデザインで、回転数をひと目で把握しやすい。3パターンの表示方法が選べるというのも遊び心がある。中央にギヤポジションインジケーターを配置するなど、瞬時に情報を読み取りやすいレイアウトだ

ヘッドライト照射性
2018年モデル Z900(ZR900B) 試乗インプレッション
ハイ
2018年モデル Z900(ZR900B) 試乗インプレッション
ロー

左右が一体となったレンズを持つデュアルヘッドライトは、低い位置にセットされている。ロービームでは右側だけが点灯し、ハイビームで左右がつく。LEDではなく柔らかい光だが明るさは十分で、夜間走行でも不安は感じない。ハイビームにすると手前側も明るくなるのがよい

2018年モデル Z900(ZR900B) 試乗インプレッション
カウルがないネイキッドではあるが、コンパクトなフロントカウルからスムーズに風が流れているようにも感じる。オプションのラージメーターカバーをつければさらに整流効果は高まるだろう
問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




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