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ヨシムラ

スポーツ走行のみならずツーリングも快適

Ninja 250(2019)インプレッション ワインディングロード

ワインディングロードはフルカウルスポーツで楽しめるフィールドのひとつ。ライダーを必要以上に急かさないエンジン特性なので気持ちよく走ることができる

国見インターチェンジからワインディングへと向かう。ワインディングはフルカウルスポーツで走ると楽しい場所のひとつだ。個人的にも好きなステージなので気持ちも盛り上がる。新世代のフルカウルスポーツとして進化してきたニンジャ250はモデルチェンジを繰り返すたびにスポーツ走行性能が高まってきた。現行モデルで改良された部分も多々あるが、乗って最初に感じたのがフロントまわりの剛性が高くなったこと。ブレーキがより安心してかけられるようになった感覚なのだ。同時にフロントブレーキの制動力とコントロールの幅も広がったように思える。もちろん双方は影響しあっている部分も多いのだが、ともあれブレーキング性能が高まったことはスポーツライディング好きならずともうれしいことだ。

そのブレーキを駆使してカーブにアプローチする。前傾ポジションはフロントに荷重をかけやすい。そしてブレーキをリリースしながらバンクさせていくのだが、ステップワークを意識しながら全身を使って荷重移動するとスムーズに曲がり始める。バンク中は安定した挙動なので不安は感じない。コーナーの出口が見えたらアクセルを開けていく。アクセル操作に対してパワーが的確に出るので、トラクションを確実にかけながら徐々に加速。マシンが起きると同時にダッシュするという行為が容易に行なえる。このときマシンと一体感を得やすいライディングポジションが役に立つ。フォームが決まりやすいので、コーナーリング中に小さなギャップを越えたときなども全身で抑えやすく、挙動を乱しにくいのだ。このあたりは前傾フォームのメリットのひとつだと言えるだろう。そして次のコーナーに向かっての切り返しも軽くでき安定している。それらはエンジン特性と車体剛性感、ブレーキフィーリングなどが高次元でまとまっているからできること。スポーツライディングの基本が凝縮されていて、学べるバイクでもあると感じた。

500㎞走った時点では体に違和感を感じる部分はなかった。ハンドルとシート、ステップの位置関係がよいので前傾姿勢が強すぎないことが理由のひとつ。またサスペンションの動きが良好で、シートを通してギャップでの突き上げなどが伝わりにくいのもプラスになっている。身体に違和感が出ないのは編集部に戻るまで続き、1000㎞走行後も痛みを感じる部分はなかった。

Ninja 250(2019)インプレッション 二人乗り

タンデムシートに人が乗っても足まわりがシッカリ支えてくれるためバランスはくずしにくい。走り出しに少し長めの半クラッチが必要だが、あとはいつもと同じ感覚だ

まとめ

今回の旅でニンジャ250がスポーツツーリングにも向いている特性だということを実感した。短時間の試乗のときに「そうじゃないかな」と思っていたが、それが証明されたのだ。では同じエンジンや車体を使ったネイキッド・Z250とどう違うのだろうか。単にカウルを外しただけと思っている人もいるようだが、この2台には明確なコンセプトの違いがあり車体の挙動も異なっている。ニンジャ250は前傾によるフロント荷重を活かしながらコーナーに入っていくためブレーキングポイントを深くできコーナリングスピードも高めやすい。対してアップハンドルのZ250は高い位置にあるハンドルに入力しやすく、より軽いキッカケで車体を動かせる。またリヤにトラクションをかけやすいので気軽にアクセルを開けられる。車体と一体になってコーナーを駆け抜けるニンジャ250、市街地などでキビキビとした軽快な走りが楽しめるZ250といった感じだろうか。乗り比べるとキャラクターがぜんぜん違うことを感じる。ユーザーがどちらを選ぶかはスタイルや使いたい方向性で決めてよいと思う。

ともあれニンジャ250はこれからバイクライフを始める人のみならず、さまざまなバイクを乗り継いできたベテランライダーにもお勧めできるフルカウルスポーツである。

たそがれ度
Ninja 250(2019)インプレッション たそがれ度

最新ニンジャシリーズと共通イメージとなっているシャープなフルカウルがカッコいい。フルカウルがビルトインされた造形も個性的で、見惚れる部分でもある。2019年モデルのカラーリングもクールな印象で満足度も高い

燃費
Ninja 250(2019)インプレッション 燃費

ニンジャ250は前のモデルよりもパワーアップしつつ、スペック上のWMTCモードでは燃費が向上している。また燃料計の最後のひと目盛りが点滅し始めて止まるまで120㎞以上走った。点滅しても焦らずにスタンドを目指そう

高速道路 31.45㎞/ℓ
一般道路 33.064㎞/ℓ
ガソリン満タン航続距離 462.9㎞

Ninja 250(2019年モデル)

Ninja 250(2019)インプレッション

2018年にフルモデルチェンジしたニンジャ250は、現行ニンジャシリーズの流れをくんだスポーティなカウルデザインを採用。軽量なトレリスフレームに大径フロントフォーク、ボトムリンク式ユニトラックサスペンションなどを装備している

Ninja 250の主なスペック
車名(通称名) Ninja 250
マーケットコード EX250PKF EX250PKFA
型式 2BK-EX250P
全長x全幅x全高 1,990mm×710mm×1,125mm
軸間距離 1,370mm
最低地上高 145mm
シート高 795mm
キャスター/トレール 24°30′/ 90mm
エンジン種類/弁方式 水冷4ストローク並列2気筒 / DOHC4バルブ
総排気量 248cm3
内径x行程/圧縮比 62.0mm×41.2mm / 11.6:1
最高出力 27kW(37PS)/12,500rpm
最大トルク 23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm
始動方式 セルフスターター
点火方式 バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 2.0L
燃料供給方式 フューエルインジェクション
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
ギヤ・レシオ 1速 2.769(36/13)
2速 1.894(36/19)
3速 1.500(33/22)
4速 1.240(31/25)
5速 1.074(29/27)
6速 0.960(24/25)
一次減速比 / 二次減速比 3.068(89/29) / 2.857(40/14)
フレーム形式 トレリス
懸架方式 テレスコピック(インナーチューブ径41mm)
スイングアーム
ホイールトラベル 120mm
130mm
タイヤサイズ 110/70-17M/C 54H
140/70-17M/C 66H
ホイールサイズ 17M/C×MT3.00
17M/C×MT4.00
ブレーキ形式 シングルディスク 310mm(外径)
シングルディスク 220mm(外径)
ステアリングアングル (左/右) 35°/ 35°
車両重量 166kg
燃料タンク容量 14L
乗車定員 2名
燃料消費率(km/L) 37.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)
26.2km/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)
最小回転半径 2.5m
カラー メタリックスパークブラック(BK1) メタリックファントムシルバー×メタリックスパークブラック(SL1)
メーカー希望小売価格 62万9,640円(税込) 64万440円(税込)
発売日 2019年1月15日
問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




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