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ヨシムラ

回転域で2分するパワーフィーリング

2006 ZZR1400(ZX1400A) 試乗インプレッション

安定性という点では、低回転域でのエンジン特性にも同じことが言える。一般的な大排気量モデルであれば、低回転域からトルクが出すぎて車体が不用意にギクシャクしてしまう傾向があるが、このモデルにその概念は当てはまらない。とても1400ccクラスなんて思えないほど低回転域でもスムーズ。数値だけを見ると低回転でもトルクフルなので推進力はあるハズ。しかし、突発的に前へ進もうとする車体をまるで抑えているかのような感覚だ。おそらくこれはインジェクションの効果だろう。カワサキのインジェクションは他のメーカーに比べても完成度は高いが、今回それをさらに煮詰めたに違いない。というのも低速域での巡行だけでなく、アクセル全閉からの急加速時もドン付きがほとんど感じられないのだ。キレイな2次曲線を描くかのような加速力の盛り上がりを見せてくれる。そして力強く、1速でもアクセル操作のみでフロントアップするほど。しかも瞬間的なフロントアップではなく、まるで離陸寸前の航空機が機首を上げるように、ジワっとフロントタイヤが上がる。フロントアップ中の安定感もあり、そのままシフトアップできてしまうくらい。それだけ車体の安定性にすぐれているということだ。

そして、低速域での滑らかさが高速域では一転、爆発的な加速力へと豹変する。最高出力190psが車体をグイグイ前に押し進める。トルクも低速域での制御が完全に外れて非常にトルクフル。しかも加速域が高速まで達していて、まるで加速の上限がないかのよう。この速度からもまだ加速するのか!と、最強マシンの底力を感じざるを得ない。低速巡行の大人しいエンジンがまるでウソのよう。現在ラインナップされているロードモデルには、それぞれが得意とするシチュエーションがある。それは、市街地であったりワンディングであったりとさまざまだ。ZZR1400は、いわゆるそれらのいいトコ取りをして最新の技術を投入したような印象だ。

急加速中でのシフトタッチもいい。普通、大排気量モデルでは加速時にギヤ抜けをしないように調整してあるので、シフトタッチが硬かったりする場合がある。ところがZZR1400ではほとんどシフトタッチの硬さを感じさせない。やわらかく、スッスッスッといった感触だ。それでいてギヤ抜けをしない。

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