快適性や使い勝手に加え高い安全性も追求
2014年に発売されたRT-33から7年、満を持してカブトのフラッグシップモデルが新たにF-17というネーミングで発売が開始された。
スタイリングにおいて目につくのは、走行中に発生する帽体付近の気流をコントロールしてライダーへの負荷を軽減するウェイクスタビライザーが、別体式になっているところ。加えて、頭頂部に新たなスポイラーが装備されたのも目を引く。
目に見えるところだけではなく、根本ともいえる帽体自体も新しくなっている。高性能ガラス繊維と引っ張り強度、弾性にすぐれた有機繊維を組み合わせた同社独自のA.C.T.(アドバンスド・コンポジット・テクノロジー)構造が、従来品よりも進化したA.C.T.-2になり、さらにFEM(有限要素法)構造解析を導入して各部の強度を最適化することで、安全性を確保しつつ首への負担を低減する軽さを追求している。
ヘルメット内の快適性に直結するベンチレーションは、チンガード部分が開口幅、面積ともに大幅に増し、さらに頭部はセンターに加えてサイドベンチレーションを左右に採用した。このサイドベンチレーション、コーナリング時の姿勢でも効率よく風をとらえ、直進時と同等のエア導入を目的として装備されたとのこと。快適性の追求という点では、シールドの密閉性と静粛性の向上を狙って新形状の一体式トリムラバーを採用しているのも見逃せない。
さらに転倒などのアクシデント時に他人が簡単かつすばやく安全にヘルメットを脱がせられるように、チークパッドの内装ウレタン材を引き抜くことができる独自のエマージェンシーシステムも採用している。
実際にかぶってみると、インナーパッドをおおう生地の肌触りがよくて、左右上下に激しく動かしてもブレないほどしっかりと頭全体がホールドされているのに、やさしく包まれているような印象を受けた。
レースユースにおいても、Moto2に参戦するヤリ・モンテッラ選手やMoto3の鳥羽海渡選手、MotoEの大久保選手が実戦で使用していることからもわかるように、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)レーシング・ホモロゲーション・プログラム・フォー・ヘルメット(FRHPhe-01)の承認を受けているバージョンもあり、MFJ公認なので、国内のレースで使うのにはまず問題はない。
このように細部までしっかりと見てみると、これまでに実用化されたさまざまなテクノロジーがぎっしりと詰まった、まさにフラッグシップにふさわしいモデルなのだ。
最先端のエアロフォルムを採用
CFD(3次元数値流体解析)を駆使して開発されたKabuto独自の空力デバイス“ウェイクスタビライザー”と、極限まで絞り込んだ前面投影面積を採用した帽体によって、直進時だけでなく横風や後方確認時の空気抵抗も低減。また走行風で発生する揚力(ヘルメットが持ち上がろうとする力)を抑制するデバイス“クレストスポイラー”を新たに採用することで、現在もっとも進んだエアロフォルムとなった。その結果、ライダーへの負担は今までのモデルよりさらに軽減されることだろう。
ウェイクスタビライザー

もはやカブトのヘルメットには、あたり前のように装備されている特許システム。帽体付近の気流をコントロールして揚力や空気抵抗を低減する。その結果、高速走行時、直線でヘルメットは安定し、首振りもスムーズに行なえる
クレストスポイラー
ヘルメット内の快適性を追求してサイドベンチレーションを新たに採用
RT-33にも採用されていたヘルメット内部にこもった熱気を放出するトップエアロベンチレーションに加えて、どんな状態でもヘルメット内部へフレッシュなエアを取り込めるように、シールドのすぐ上にサイドベンチレーションを装備。これによりコーナーリング時の姿勢でも効率よく風をとらえ、直進時の姿勢と同等のエア導入が可能となった。開口面積・開口幅ともにRT-33より大幅に拡大したチンベンチレーションと相まって、ヘルメット内部の高い快適性が望める。
サイドベンチレーション
トップエアロベンチレーション
カブト F-17
カラー | ホワイト・ブラックメタリック・フラットブラック |
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サイズ | XS・S・M・L・XL・XXL |
規格 | JIS、MFJ公認 |
価格 | 5万1,700円 |