ヨシムラ
東京モーターショー2017で世界初披露され、大いに注目を集めていたニンジャ250。遂に国内での販売開始時期と価格、スペックなどの詳細が明らかになった!
販売開始は2018年2月1日からとなり、シャシーを共有する兄弟モデルとなったニンジャ400も同時に販売を開始する。価格はスタンダードモデルで62万9,640円(ツートンカラー&KRTエディションは1万800円高)だ。
カラーリングはブルー・レッド×ブラックの2色に加え、スポーティな専用カラーを採用するKRTエディションの3色での展開となる。
新開発のエンジン&シャシーの詳細も明らかに!
新型ニンジャ250ではニンジャ400とプラットフォームを共有するにあたり、エンジン&シャシーをすべて完全新設計。
エンジンはボア×ストロークの設定こそ従来モデルと同様だが、あらゆるパーツを見直しリニューアルされている。
エアクリーナーボックスを従来のシート下からタンク内部に移動し、吸気の流れをストレートかつ、吸気管長を短くできるダウンドラフト構造を採用。同時にエアクリーナーボックスを大容量化(4.8ℓから5.8ℓに)することで、高回転域でのエンジン性能の向上を実現した。
また、高強度かつ軽量な鍛造カムシャフトや、ごく低速域でのパワーフィーリング向上につながるイリジウムプラグ、スリーブレスのメッキシリンダーなど、大排気量のスポーツモデルと同様のコンポーネントを採用することで、高回転域だけにとどまらず全域での出力アップが図られている。
その結果、扱いやすさをキープしつつ、パワーアップを実現。最高出力は従来モデル比で6PSアップの27kW(37PS) /12,500rpmm、最大トルクは2N・mアップの23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpmとなっている。
その他、フライホイールの軽量化(従来モデル比で20%以上軽量)やギヤレシオのクロス化などによるレスポンスの向上も見逃せないポイントだ。
もちろん、削り出しのバランサーシャフト採用によるエンジン振動の低減や、さらに軽い力でクラッチ操作が可能になった新型のアシスト&スリッパークラッチなど、スポーツ性能だけでなく、ツーリング性能もさらなる進化を遂げている。
エンジンのリニューアルに合わせて、シャシーも完全新設計されている。
ニンジャH2からインスパイアされたというフレームは従来のダイヤモンドタイプからトレリスタイプに変更され、軽量化と剛性バランスの最適化を実現。
またニンジャH2と同様、エンジン背面に結合したマウンティングプレートを介してスイングアームを直接接続する構造を用いている点も軽量化に結び付いている。
さらにエンジン搭載位置の見直しも行なうとともに、ショートホイールベース(1,410mmから1,370mmに)にロングスイングアーム、キャスター角の見直しといったディメンションの変更を実施。
足まわりにはインナーチューブ径φ41mm(従来モデルはφ37mm)の大径フロントフォークを採用するとともに、リヤショックのリンク比やサスペンション特性などをリセッティングすることで、よりスポーティなハンドリングを追求。さらに、セミフローティングタイプのφ310mmフロントブレーキディスク(従来モデルはφ290mm)に、新タイプのマスターシリンダーやブレーキホースを組み合わせ、制動力とブレーキタッチの向上が図られている。
これらの変更により車両重量は従来モデル比で8kg減の166kgに仕上げられている。なお、エアクリーナーボックスの移設などに伴い、タンク容量は従来モデル比で3ℓ減の14ℓになっている。
また、低反発ウレタンを用いたシートは肉厚を50mmから90mmにアップすることで、クッション性を向上。そのうえで、シート高は従来モデルとほぼ同様に抑えるとともに、幅が約30mm狭められているので足着き性もよくなっている。
ライバルモデルたちとの比較
さて、従来モデルと比べてさらにスポーティさを増したニンジャ250だが、気になるのはやはりライバルモデルたちとどう違うのかという点だろう。
そこで、ホンダ・CBR250RRとヤマハ・YZF-R25、スズキ・GSX250Rの同排気量帯のフルカウルスポーツモデルたちとの違いをエンジンスペックと車両重量などから比較していこう。
Ninja 250 | CBR250RR | YZF-R25 | GSX250R | |
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エンジン形式 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ並列2気筒 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ並列2気筒 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ並列2気筒 | 水冷4ストローク OHC 2バルブ並列2気筒 |
ボア×ストローク | 62mm×41.2mm | 62mm×41.3mm | 60mm×44.1mm | 53.5mm×55.2mm |
圧縮比 | 11.6 | 11.5 | 11.6 | 11.5 |
最高出力 | 27kW(37PS)/12,500rpm | 28kW(38PS)/12,500rpm | 26kW(35PS)/12,000rpm | 18kW(24PS)/8,000rpm |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm | 23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm | 23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm | 22 N・m(2.2 kgf・m)/6,500rpm |
燃費(WMTCモード値) | 26.2 | 26.7 | 27.2 | 32.5 |
車両重量 | 166kg | 167kg | 170kg | 178kg(ABSなし) |
ホイールベース | 1,370mm | 1,390mm | 1,380mm | 1,430mm |
キャスター/トレール | 24.3°/90mm | 24°30′/92mm | 25°00′/95mm | 25°35′/104mm |
価格 | 62万9,640円 | 80万6,760円 | 61万200円 | 52万7,040円 |
旧モデルではYZF-R25よりも若干控えめのスポーティさだったニンジャ250だが、今回の新型ではYZF-R25を飛び越え、80万オーバー(ABSモデル)のCBR250RRに迫る勢いのスポーティな仕上がり。エンジンスペックだけを見るとCBR250RRと同等で、ハンドリングのクイックさに影響するホイールベースやキャスター/トレールなどはCBR250RRよりもスポーティなセッティングに…。もちろん、販売価格の違いによりCBR250RRとは足まわりやシャシーのコストのかけ方に差があるのも事実だが、それにしても新型ニンジャ250はかなりスポーツ志向を強めているのは間違いない。また、車両重量も4モデル中、もっとも軽量になっている。