Ninja ZX-25R インプレッション

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ヨシムラ

9月10日の発売開始に先駆け、Ninja ZX-25Rに試乗してきた。ライダーはトリックスターの代表、鶴田竜二氏だ。ワインディングとサーキットを走り、常用域からスポーツ性能まで、幅広いシチュエーションでその走行性能をチェックする。

大人を無邪気な少年にさせるエキサイティングなフルカウルミドル

今、注目モデルのNinja ZX-25Rに試乗してきた。試乗したモデルは国内仕様で、試乗コースはオートポリスと、その周辺のワインディングだ。オートポリスではスポーツ性能、ワインディングでは常用域の性能を試した。

注目のエンジンだが、250㏄並列4気筒らしく高回転までキンキンに回る。タコメーター上限表示の2万rpmまでしっかり回り、オートポリスのメインストレートでは、1コーナー手前のブレーキポイントまでの間に180km/hまでスピードが上がった。それでも、まだ加速の途中だったので、スピードはさらに伸びると思われる。

加速感がいいのは1万5,000rpm付近で、オートポリスではパンチ力のあるエンジンを存分に堪能できた。一方、ワイディングや市街地を走った時には、高回転型並列4気筒エンジンにしては低回転のスムーズさを感じられた。低中回転域ではトルク感があり、高回転域ではパワー感と伸びのよさを感じるエンジン特性だが、出力特性とトルク特性は低回転から高回転までスムーズにつながっていく。

Ninja ZX-25R インプレッション - ワインディング

とても元気がいいエンジンに比例して、ハンドリングもかなりクイック。サーキットでかなり攻め込んだけれど、車体は乗り手の操作について来る。しかも、その領域でも車体の不自然なヨレや剛性不足は感じられず、コーナー直前で強くブレーキをかけても車体はかなり安定していた。特筆すべきは路面からのフィードバックだ。たとえばコーナー進入でのこと。コーナー手前でブレーキを強くかけた時、リヤタイヤは接地しているか接地していないかのレベルで、わずかに接地している状態。その状態でコーナーに進入しつつブレーキを徐々にリリースして、リヤに荷重を移しながらスロットルを開けていく。この一連の動作において、路面のインフォメーションがしっかりとライダーに伝わってくるのだ。だから、コーナーも思い切り攻め込むことができる。

Ninja ZX-25R インプレッション - 市街地

さて、Ninja ZX-25Rには250㏄クラス初となるトラクションコントロールが採用されているわけだが、このクラスでどのように介入してくるのか。結論から言うと、250㏄クラスでもスポーツ走行する時にはトラクションコントロールは有効に働く。ライディングスキルと走り方に応じて、トラクションコントロールの効き方と有効性は変わってくるが、私がオートポリスを攻め込んだ時の介入の仕方について紹介しよう。ヘアピンカーブを例にとれば、クリッピングポイントでアクセルを大きく開けていくのだけれど、モード3はクリッピングポイントから1mくらい先で介入し、モード2は5mくらい先。モード1はヘアピンでは介入しなかった。モード1はさらに高速域、たとえば高速コーナーをアクセル全開で攻めていって、コーナーを抜けるところで介入するかしないかといった感じだ。ストリートで安全性を考慮するならモード3がいいだろうけど、私がサーキットを攻めるならモード1がいい。

Ninja ZX-25Rに関して自分でコメントしておいてなんだが、ここまでのエピソードは、250㏄クラスではなく、まるでリッタースポーツモデルのことを話しているかのよう。それほどNinja ZX-25Rの次元は高いということ。その次元の高さはパーツ個々の性能だけでなく、まとまり方にも言える。採用されているユニットは並列4気筒エンジンや、トラクションコントロールをはじめとした電子制御機能、SFF-BP倒立フロントフォークやホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションなど、250㏄クラスでは斬新なメカニズムばかり。これらの機能が車両一つのパッケージとして高次元でまとまっているのだ。このまとまり方は、Ninja ZX-25Rの強みだ。

Ninja ZX-25R インプレッション - サーキット

以上が私のインプレッションだが、試乗に関するエピソードをもう一つ紹介しよう。今回のインプレッションはメディア合同試乗会で、複数のライダーが参加していた。私の走行グループには日ごろから交流のある丸ちゃん(丸山 浩氏)もいて、サーキット走行の時には「邪魔するなよ」と、お互い冗談を言い合っていた。というのも、誌面やウェブに撮影するため、カメラマンが構えているコーナーではピンで収まる必要があり、ライダーは車両の性能を試しつつも、他のライダーに接近しすぎないように気をつかっていたのだ。ところがある周回のことだ。カメラマンがいるコーナーに差し掛かった時、空気読めない丸ちゃんが私のすぐ後ろを追っかけくるではないか。私も振り切ろうと少し飛ばしたのだが、納豆走行のごとくなかなか離れない。それだけでなく、こともあろうかメインストレートで私のスリップストリームを利用して前に出てきたのだ。そっちがその気ならと、私は1コーナーで刺して抜き返してやった。勝負あったと思い、スピードを落としたところ、すかさず私のアウト側から性懲りもなく、まくってきた丸ちゃん。その前方には他のライダーも走っていたので、私は無理せず、しばらく丸ちゃんの走りを観察することに。今度はこっちが納豆走行だ。すると丸ちゃんはオートポリスを走る機会が少ない割には、さすがにいい走りをしていた。次は、撮影無しにNinja ZX-25Rでガチで競いたいものだ。僕ら大人を無邪気な少年にさせてしまうNinja ZX-25Rだった。あぁ、楽しい試乗会だった。

(鶴田竜二)

Ninja ZX-25Rのライディングポジション

Ninja ZX-25R ライディングポジション
Ninja ZX-25R ライディングポジション

250㏄クラスであるものの、車格の小さいバイクを下半身でこねくり回すようなライディングフィーリングではなく、身体を車体にフィットさせながら操作する感覚を得られた。乗った感覚は600㏄クラスかと思えるくらい。足着きがいいのにもかかわらず、適度な重心の高さを確保してライディングを楽しめた

鶴田竜二

マフラーやステップをはじめとしたアフターパーツを展開するトリックスターの代表。チームグリーンの元ライダーで、これまで鈴鹿8耐や全日本ロードレースに参戦してきた。近年は監督としてチームをまとめ、海外チームとコラボして世界耐久にも参戦する。
https://www.trickstar.jp/

鶴田竜二

完全新設計の並列4気筒250㏄エンジンを採用するNinja ZX-25Rが9月10日(木)から全国で発売開始! 価格は82万5,000円から

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