2019年モデル Ninja H2 SX SE

ページを共有

ヨシムラ

スーパーチャージドエンジンを搭載するNinja H2に、ツアラータイプのNinja H2 SXとその上級仕様であるNinja H2 SX SEが登場。その技術に注目すれば、スポーツツアラーとしての魅力と、公道での扱いやすさを期待させて余りあることがわかる。

バランス型のスーパーチャージャーとは!?

ツーリングユースにフォーカスしたNinja H2 SXは、Ninja H2の基本設計を踏襲しながらも、ねらいに合わせて、エンジンも車体もすべてが見直され、専用設計を受けている。

とくに注目すべきは、バランス型スーパーチャージャーの採用だ。このバランス型スーパーチャージャーは2015年東京モーターショーで参考出品されており、燃費や性能とのバランスを図りながら、過給圧を綿密にコントロールする。

スーパーチャージドエンジンの圧縮比は、過給によって新気が充填されるため、低く設定されるのが一般的で、事実、Ninja H2の圧縮比は8.5と低めである。だが、それがSXでは11.2となっている。過給への依存度を抑え、適時、必要に応じて過給するということだ。

吸排気ポートは絞られ、スロットルバルブ径も50mmから40mmに小径化されていて、流速を高めて扱いやすさを向上させるねらいも見て取れる。

燃費も25%向上し、エンジン特性も、アグレッシブなNinja H2に対し、Ninja H2 SXはジェントルでスムーズなものになっていると期待でき、この分野でのカワサキのアドバンテージを誇示してくれそうだ。

ライディングポジションから車体ディメンジョン、車体の剛性バランスまで、ねらいに合わせて最適化されたNinja H2 SXは、スポーツ性能から快適性や燃費まで、バランスの取れたスポーツツアラーというわけだ。

2019年モデル Ninja H2 SX SE
2019年モデル Ninja H2 SX SE
2019年モデル Ninja H2 SX SE
2019年モデル Ninja H2 SX SE

Ninja H2 SXシリーズ

Ninja H2 SXシリーズには、スタンダートタイプのNinja H2 SXとハイグレード仕様のNinja H2 SX SEの2種類が用意される(2019年モデル)。下の表に示されるように、SEにはコーナリングライト、ローンチコントロール、オートシフター、TFTカラー液晶ディスプレイなどが装備され、SEだとオプション設定のセンタースタンドやグリップヒーターなども標準装備となる。だが、走りの基本的な機能や性能面での差異はない。Ninja H2 SXのカラーはメタリックカーボングレー×メタリックマットカーボングレーの1色のみ。

2019年モデル Ninja H2 SX
スタンダード仕様のNinja H2 SX
Ninja H2 SXとNinja H2 SX SEの主な装備比較
  Ninja H2 SX Ninja H2 SX SE
KLCM ×
KQS(UP⁄DOWN) ×
液晶ディスププレイ LCD TFTカラー
コーナリングライト ×
KLCM ×
ブレーキホース ラバー スチールメッシュ
12Vソケット オプション
ラージスクリーン オプション
センタースタンド オプション
グリップヒーター オプション
タンクパッド オプション
ニーパッド オプション
2019年モデル Ninja H2 SX メーター
Ninja H2 SXのメーターは、LCDの反転式。基本デザインはNinja H2から受け継ぐ。多機能で、IMUインジケータも表示。回転計のレッドゾーンはNinja H2より2,000rpm低い12,000rpmからだ

装備[EQUIPMENT]

Ninja H2 SX/SEは、最新鋭のスポーツツアラーだけに、電子制御面でもIMU(慣性計測ユニット)で検知したマシンの運動状態よって、車体やエンジンを総合的にコントロールするシステムが導入されている。また、装備面でも最高位のツアラーらしく充実しているが、Ninja H2 SX SEのほうが、さらに充実したものとなっている。

2019年モデル Ninja H2 SX SE
ハイ
2019年モデル Ninja H2 SX SE
ロー
シートはセパレートタイプで、国内仕様車ではフロントシートは15mm低いローシートが標準装着となる。これによりシート高は820mmとなる

2019年モデル Ninja H2 SX SE 左ハンドルスイッチ
2019年モデル Ninja H2 SX SE 右ハンドルスイッチ
より複雑化した左スイッチボックス。各種電子制御機能などの設定が可能。“BOOST”表示のスイッチは、“過給オン”ではなく、液晶画面の表示切替のスイッチ

コーナリングライト

カワサキ車初となるコーナリングライトは、独自の方式によるもの。左右それぞれのライトに3つのLEDを内蔵し、バンク角に応じた最適のライトを点灯させるというもの(写真のように浅いバンク角では上側のみの点灯となる)。これによってコーナーでバイクが進む方向を照らすことができる。

2019年モデル Ninja H2 SX SE LED式コーナリングライト
Ninja H2 SX SEにはLED式コーナリングライトがフェアリングの両サイドに設けられる。Ninja H2 SXには装着することはできない

2019年モデル Ninja H2 SX SE LED式コーナリングライト

メーター

メーターの基本デザインは両タイプで異なる。Ninja H2 SXがモノクロのLCD式であるのに対し、Ninja H2 SX SEにはTFT液晶のフルカラーディスプレイが採用され、美しく高品位でフラッグシップにふさわしいものとなっている。また、情報もグラフィックカルに表示され、ライダーが必要な情報を把握しやすくしている。

2019年モデル Ninja H2 SX SE メーター
表示モードは、ツーリングとスポーツの2モードから選択できる。写真はスポーツモードの状態
2019年モデル Ninja H2 SX SE メーター(LEAN)
2019年モデル Ninja H2 SX SE メーター(LEAN)
バンク角の大きさをバーグラフ式に表示(写真左)。車両の傾きに合わせてグリーンの表示が伸びたり縮んだりする。前後のピッチングモーションに合わせてグリーンの表示が前後する(写真右)

2019年モデル Ninja H2 SX SE メーター
2019年モデル Ninja H2 SX SE メーター
スポーツモードは1、2、3から選択。スポーツモード1ではスロットルの開閉に合わせてバーが上下し(写真右)、スポーツモード2ではブレーキの入力に合わせてバーが上下する(写真左)

2019年モデル Ninja H2 SX SE TFT液晶メーター
写真はツーリングモードの状態。燃費や走行距離など、ツーリング時に役立つ情報を表示する。スポーツモードとツーリングモードともに液晶表示はブラックとホワイトが選択可能

車体[CHASSIS]

車体はNinja H2を基本としつつ、全面的に改められている。フレームは基本を受け継ぐも、トラス部に補強を追加し剛性アップ、強固なリヤフレームが一体化される。低重心化のために、エンジン搭載角を2度前傾させるなどしている。

2019年モデル Ninja H2 SX SE
Ninja H2 SX SE
2019年モデル Ninja H2R ストリップ
Ninja H2R
Ninja H2Rよりスイングアームを15mm延長、ヘッドパイプを前方へ15mm移動することによって、ホイールイベースはNinja H2よりも25mm長い1480mmとなった。キャスター角は0.2度寝た24.7度

ライディングポジション

比べてみると、Ninja H2はもちろん、Ninja ZX-14Rよりも上体が起き、Ninja 1000よりは少々前傾しているイメージだ。ライディングポジションが快適指向であることに変わりはない。足着きはNinja H2と同等か、わずかに劣る程度で、悪くはない(身長:161cm 体重:57kg)

2019年モデル Ninja H2 SX SE
Ninja H2 SX SE
2019年モデル Ninja H2
Ninja H2
オプションパーツ

2019年モデル Ninja H2 SX SE オプション

Ninja H2 SXとNinja H2 SX SEには多くのオプションパーツが用意されている。とくにGIVIパニアケースは、片側容量28ℓで重量5kg、空力特性やマスの集中化も考慮され、着脱性にもすぐれる。SX SEの場合でも標準装備ではないので、用意したいパーツだ。

Ninja H2 SX/SE(2019年モデル) スペック一覧

車名(通称名) Ninja H2 SX Ninja H2 SX SE
マーケットコード ZX1002AKF ZX1002BKF
型式 2BL-ZXT02A
全長x全幅x全高 2,135mm×775mm
×1,205mm
2,135mm×775mm×1,260mm
軸間距離 1,480mm
最低地上高 130mm
シート高 820mm
キャスター/トレール 24.7°/103mm
エンジン種類/弁方式 水冷4ストローク並列4気筒 / DOHC4バルブ
総排気量 998cm3
内径x行程/圧縮比 76.0mm×55.0mm/11.2:1
最高出力 147kW(200PS)/11,000rpm ラムエア加圧時:154kW(210PS)/11,000rpm
最大トルク 137N・m(14.0kgf・m)/9,500rpm
始動方式 セルフスターター
点火方式 バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 4.7L
燃料供給方式 フューエルインジェクション
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
ギヤ・レシオ 1速 3.076(40/13)
2速 2.470(42/17)
3速 2.045(45/22)
4速 1.727(38/22)
5速 1.523(32/21)
6速 1.347(31/23)
一次減速比 / 二次減速比 1.480(74/50) / 2.444(44/18)
フレーム形式 トレリス
懸架方式 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 43mm)
スイングアーム(ニューユニトラック)
ホイールトラベル 120mm
139mm
タイヤサイズ 120/70 ZR17M/C 58W
190/55 ZR17M/C 75W
ホイールサイズ 17M/C×MT3.50
17M/C×MT6.00
ブレーキ形式 デュアルディスク320mm(外径)
シングルディスク250mm(外径)
ステアリングアングル
(左/右)
30°/ 30°
車両重量 256kg 260kg
燃料タンク容量 19L
乗車定員 2名
燃料消費率(km/L) 27.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)
17.9km/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)
最小回転半径 3.1m
カラー メタリックカーボングレー×メタリックマットカーボングレー(GY1) エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック(GN2)
メーカー希望小売価格 199万8,000円(税込) 239万7,600円(税込)
問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/
和歌山 利宏
和歌山 利宏

バイクジャーナリスト。バイクメーカーの元開発ライダーで、メカニズムからライディングまで、自身の経験にもとづいて幅広い知識を持つ。これまでに国内外問わず、車両のインプレッションも数多く行なっている。




人気記事





カワサキイチバン