多くのライダーの話題になっているNinja ZX-25Rだが、注目しているのはライダーだけではない。多くのアフターパーツメーカーも注目しているマシンである。このNinja ZX-25Rをもっと楽しく、もっとカッコよく、もっと快適にするためのパーツを開発しリリースしているのだ! すでにオーナーになっている者だけでなく、購入を検討している者も刮目せよ!!
公道からサーキットまで使える、EKの250㏄専用設計チェーン
EKチェーンを展開する江沼チヱン製作所は1941年の創業以来、ローラーチェーン総合メーカーとして活動を続けている。バイク用チェーンにも力を入れ、1974年にバイク用シールチェーンを世界で初めて開発し、カワサキZ1に純正採用された。以来、カワサキにOEM供給し、多数のリプレイス品もリリースしてきた。現在も多数のバイク用リプレイスチェーンをリリースするが、その中でもNinja ZX-25Rオーナーにオススメしたいのが、2020年に登場した最新作である“520LMX”だ。
その特徴を紹介する前に、まずバイク用チェーンについて触れておきたい。チェーンはエンジンで発生するパワーをリヤタイヤに伝えるのが基本的な役目だ。Z1以来、すべてのバイクに同じチェーンが使われているといえば、そうではない。一見すると変わらないように見えるかもしれないが、チェーンも進化しているのだ。
たとえば耐久性。Z1に採用されたシールチェーンの前は、シールのないノンシールチェーンが主流だった。その耐久性を上げるためにシールが組み込まれたのである。その後もシールの研究は続き、さまざまなタイプのシールが登場。EKチェーンのシールには現在SX・SX2・QX・QX2・NXの5種類が存在し、それらが製品によって使い分けられている。
またチェーンは金属の塊で、重量も相当な数値になってしまう。耐久性やフリクションロスを考慮に入れながら、チェーンを構成する各パーツに独自の工夫を注ぎ、重量面と耐久性・フリクションロスのバランスを追求してきた。チェーンサイズも現在では9種類あり、排気量に応じたサイズが純正採用されている。これも重量やフリクションロスを考慮しつつ、EKチェーンのラインナップ中でも同じサイズで複数のタイプが用意されている。車両ごとに最適なチェーンを選ぶことがキモなのだ。
ちなみにNinja ZX-25Rには520サイズのチェーンが用いられている。EKチェーンの公道向けアイテムのラインナップの中で、これまで適合するのは520SRX2だけだった。サイズだけ考えると他にもあるが、それらは大排気量向けに作られたチェーン。同じサイズでも排気量に見合った耐久性を持たせるため、仕様が変わってくる。Ninja ZX-25Rに組み込むことはできるが、価格が高くなる・重くなる・フリクションロスが増えるなど、デメリットの方が多くなり、採用する意味はない。
そこで520LMXである。このチェーンは400㏄以下クラスをメインターゲットに開発が進められた。520SRX2は650㏄までを想定しているため、400㏄以下クラスとのバランスが理想とはいえなかった。それに対して520LMXは350㏄までを想定。そのため、より最適化を進めることができ、520SRX2よりも12%の軽量化を達成できたのだ。ちなみにEKチェーンのレース専用品を含めた520サイズの中で最軽量モデルにもなっている。耐久性やフリクションロスに関しては、最新のNXリングを導入することでカバー。しかも公道向けでありながら、JP250などのレースでも使用することも可能だという。
“ならお値段はお高いんでしょう?”と思う人もいるだろうが、なんと520SRX2よりも割安になっているのだ! Ninja ZX-25Rのチェーン交換時には、520LMXを選ぼう!!
※価格はすべて税込み
吉田 朋
アンダー400(クレタパブリッシング)編集長。本誌編集を手がけるようになりカワサキ・ニンジャ250SLを購入。そのローンも終わり、次の獲物としてヤマハ・セロー250を3年ローンで購入した。ほかゼファー750も所有
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