2021スーパーバイク世界選手権第12戦アルゼンチン大会はレイ選手が2位・3位・2位！ 最終戦に制覇の望みをつなぐ

カワサキレーシングチームはアルゼンチンのサンファン・ビリクムで開催された2021年スーパーバイク世界選手権第12戦アルゼンチン大会にて、ジョナサン・レイ選手がレース1で2位、スーパーポールレースで3位、レース2で2位に入った。その結果、年間ポイント獲得数を501ポイントとし、次戦となる最終戦までシリーズチャンピオンの座をトプラック・ラズガトリオグル選手と争うことになった。

土曜日に開催されたレース1はカワサキの125周年を記念した特別カラーパッケージのNinja ZX-10RRが2台登場。レイ選手はZXR750をモチーフとしたライムグリーンとブルーのNinja ZX-10RRで2位入賞をはたし、ロウズ選手はGPZ900R(A2)の黒×赤を採用したNinja ZX-10RRを駆り、4位入賞をはたした。とくにロウズ選手にとってはフル参戦に向けて力強い復帰をはたしたことになった。

続く日曜日、スーパーポールレースでレイ選手は優勝したラズガトリオグル選手や2位のスコット・レディング選手と最後まで競い合うことができなかったが3位に入り、表彰台を獲得してポイントを加算した。ロウズ選手はほとんどの周回で5位以内を走行していたが最終的に9位。残り2周のところで、まだ治っていない手に力が入らない状態だったという。その影響で最終レースとなるレース2は欠場となってしまった。

スリリングなレース展開が繰り広げられたレース2は、レース後半、レイ選手がスコット・レディング選手のペースについていけなくなり、レディング選手が優勝を飾ることになってしまった。しかし、レイ選手は自身の経験と強力なマシン・セットアップを駆使してランキングトップのラズガトリオグル選手を抑えて2位でゴール。これによりポイント差を30ポイントにまで縮めた。

第12戦終了時、ポイント総獲得数はランキングトップのラズガトリオグル選手が531ポイント、レイ選手が501ポイント、3位のレディング選手が465ポイントとなった。最終戦のインドネシア大会の全3レースで優勝すれば得られるポイントは最大62ポイントとなり、シリーズチャンピオンになれる可能性を残すのはラズガトリオグル選手かレイ選手だけに絞られることになった。

2021年スーパーパイク世界選手権最終戦となる第13戦は、インドネシアのロンボク島に新設されたマンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで、11月19～21日に開催される予定だ。

第12戦の全日程を終えた両選手からのコメントは以下のとおり。

ジョナサン・レイ選手

「マシンのフィーリングにはとても満足していて、レース2ではさらにそのフィーリングが高まりました。マシンのセットアップでは、通常では考えられないような奇妙なことをしたのですが、それがマシンを大きく変え、とくに最初から持っていたグリップレベルを大きく変えました。この週末はずっとタイヤをうまく使いこなすのに苦労していましたが、上手くいきました。フロントにSC2、リヤにSCXを装着したことが功を奏したようです。今日はトラクションとフィーリングがあり、マシンを自在に操ることができました。レース2では、トプラック選手に少し遅れをとっただけで、スコット選手がとてもいい走りを見せていましたね。今日のチームには本当に感謝しています。とこの週末、このレースでは何かいいものを見付けることができたと思います。これからもあきらめずにがんばります。レースを楽しんだし、このアルゼンチンでの生活も楽しめました。インドネシアをとても楽しみにしています」

アレックス・ロウズ選手

「週末のスタートはうまくいきました。ここ数戦と比べて、手ごたえを感じていました。レース1は4位入賞ととてもよかったのですが、土曜日までの努力が報われたと思った日曜日、目が覚めたときにはかなりの痛みを感じていました。スーパーポールレースでも走行を試みたのですが、力が足りませんでした。だから、週末を早々に切り上げる決断をしなければいけませんでした。よい点は、別のサーキット、別の週末に、自分たちのスピードを発揮できたことです。もちろん、これまでの努力が報われず、3つのレースに出場できなかったことは残念ですが、ポジティブなポイントに目を向けて、前に進むことに集中しなければなりません」