ヨシムラ
スーパーチャージドエンジンを搭載した、水冷Zシリーズのフラッグシップ
Z H2の特筆すべき機能は、何と言ってもスーパーチャージドエンジンだ。ニンジャH2、ニンジャH2 SXに続き、スーパーチャージドエンジン搭載モデル3機種目となるモデルは、ニンジャH2 SXの流れをくむバランス型スーパーチャージドエンジンが採用される。といっても、ニンジャH2 SXのエンジンとは別モノと言え、Z H2の走行シチュエーションを考慮した、新たな味付けがほどこされている。
Z H2専用セッティングが施されたエンジンを、完全新設計のトレリスフレームに搭載
「Z H2は現行ZシリーズのDNAを持つスーパーチャージドエンジン搭載モデルです。位置付けは現行Zシリーズの最高峰モデルとなります」
カワサキの開発者は、Z H2の位置づけについてこのように語ると、スーパーチャージドエンジンについて、次のように触れた。
「Z H2のエンジンは、ニンジャH2とニンジャH2 SXのエンジンより、さらにストリートでのパフォーマンスを高めています。最高出力200psのスーパーチャージドエンジン特有の強烈な加速感を持たせつつ、低中回転域のエンジン特性をより膨らませたり、滑らかなレスポンスに仕上げたりしました。エンジン特性はZ H2専用のセッティングとなっています」
車体に関しても、ニンジャH2とニンジャH2 SX同様、Z H2もトレリスフレームを採用するが、Z H2専用に製作した完全新設計のフレームとしている。
「市街地を走行することが多いモデルということを考慮して、フレームも作り直しています。スーパーネイキッドに求められる軽快感やアグレッシブさを実現できる設計としました」
Zシリーズ最高峰モデルにふさわしい、充実した電子制御機能
装備や電子制御機能は、ニンジャH2とニンジャH2 SX同様、非常に充実している。これらの充実した機能は既存の現行Zシリーズとは大きく異なる点だ。ライディング条件に合わせて各種電子制御機能を設定できるインテグレーテッドライディングモード、6方向の車体姿勢を計測する装置・IMU、カワサキトラクションコントロール、カワサキローンチコントロールモード、カワサキクイックシフター、エレクトロニッククルーズコントロール、スマートフォン接続機能など、充実した電子制御機能を採用する。
筋骨隆々のマッシブスタイルを具現化した、Sugomiデザインの最新形
スタイルは現行Zシリーズが持つ“Sugomi(凄み)”デザインを体現しつつも、これまでのZシリーズとは一線を画している。その一例がフロントまわりだ。既存の現行Zシリーズはハンドルマウントのヘッドライトを採用しているが、Z H2はハーフカウルのようなフレームマウントのヘッドライトを採用する。この設計とした大きな理由は、スーパーチャージドエンジンのエアインテークダクトを車体横から前方にかけて配置する必要があり、従来のZシリーズのようなヘッドライトをハンドルマウントとすると、ハンドルを切った際のハンドルまわりの取りまわしに不都合が生じるためだ。そのため、現在のフロントまわりのデザインとなっているのだが、結果として、非常に個性的なデザインとなっている。
気になる国内への導入時期だが、現在のところ2020年の初夏を予定している。価格は未定だ。
オフィシャルビデオ
Z H2の主なスペック
エンジン種類/弁方式 | 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ |
---|---|
総排気量 | 998cm3 |
内径×行程 | 76.0mm×55.0mm |
最高出力 | 147.1kW(200PS)/11,000 min-1 |
最大トルク | 137.0N·m(14.0kgƒ·m)/8,500min-1 |
全長×全幅×全高 | 2,085mm×770mm×1,130mm |
シート高 | 830mm |
車両重量 | 239kg |
燃料タンク容量 | 19リットル |
フレーム | トレリス、ハイテンスチール |
タイヤサイズ | (F)120/70-17 (R)190/55-17 |
電子制御 | インテグレーテッドライディングモード IMU(慣性計測装置) KTRC (カワサキトラクションコントロール) パワーモード KCMF (カワサキコーナリングマネージメントファンクション) KIBS (カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム) KLCM (カワサキローンチコントロールモード) KQS (カワサキクイックシフター) エレクトロニッククルーズコントロール スマートフォン接続機能 |
カラー | メタリックスパークブラック×メタリックグラファイトグレー×ミラーコートスパークブラック |