2016年モデル KLX250 Final Edition

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ヨシムラ

KLX250SRに始まり、20年以上にわたり4ストローク・デュアルパーパスを牽引してきたKLX250。カワサキが最後にスペシャルな仕様を用意したファイナルエディション(2016年)を振り返る

ファイナルエディションは懐しのカラーを採用

軽量ハイパワーな2ストロークオフロードマシンに、4ストロークエンジンで真っ向から勝負を挑んだKLX250SR。1993年にデビューした時のキャッチコピー“闘う4スト”は伊達ではなかった。コンパクトで軽量な車体に、パワフルな250㏄DOHCエンジンを搭載。モトクロッサーゆずりの足まわりなどにより、走破性の高さはクラスでもトップレベルだった。その後セルスターターを装備し、よりストリートユースに向いたKLX250ESが追加設定。高いポテンシャルをツーリングなどで気軽に使えるようになった。1998年には両方のよいところを合わせ、KLX250という名に統合。2008年にはフューエルインジェクションを装備するなど、大きなモデルチェンジを行ない現在に至る。高い走破性やパワフルなパワーフィールはしっかりと受け継がれている。

ファイナルエディションである2016年モデルは、初代KLX250SRのグラフィックを採用する。フレームや外装は鮮やかなライムグリーンにペイント。シートはパープルで、ブラッシュパターンのグラフィックとの相性もいい。ホイールリムはブラックとして引き締めているのもポイント。

車体デザインが異なるにも関わらず、カラーリングがマッチしているのは血筋がなせる技だろうか。あらためて眺めてみると、懐かしいはずのデザインが新鮮に見えてくるから不思議だ。このカラーとともにいつまでも記憶に留めたい一台だ。

1993年モデル KLX250SR
1993年モデル KLX250SR

軽量&ハイパワーな4ストロークエンジンを、コンパクトなフレームに搭載。本格的な足まわりによって高い走破性を誇り、2ストロークモデルが中心だったデュアルパーパス界に新風を送り込んだ

2016年モデル KLX250 Final Edition

軽量な車体とレスポンスがよい単気筒エンジンの組み合わせは、ストリートでも威力を発揮。大径ホイールとブロックタイヤ、長いサスペンションストロークのおかげで、荒れた路面に差し掛かっても不安はない

2016年モデル KLX250 Final Edition
2016年モデル KLX250 Final Edition
ライムグリーンのベースカラーにブラッシュパターンのグラフィックが映える。躍動的なパターンがKLX250のアグレッシブさを表現している。ホイールリムや倒立フロントフォークのアウターチューブがブラックなのも注目ポイント
2016年モデル KLX250 Final Edition
2016年モデル KLX250 Final Edition
初代KLX250SRに比べるとサスペンションストロークは少なくなっているが、それでもこのクラスでは十分なストロークが確保されている。ラジエーターの張り出しも少なく、スリムな車体であることがわかるアングルだ

2016年モデル KLX250のライディングポジション

2016年モデル KLX250 Final Edition 足着き

着座位置は高めだが、車体がスリムなうえに着座するとサスペンションが大きく沈み込むので、ライダーの体格によって足着きは多少変化する。車体の軽さもプラス要素だ。ハンドル幅はオフロード走行を考慮し広め(身長:172㎝ 体重:68㎏)

2016年モデル KLX250の主なスペック

車名(通称名) KLX250 Final Edition
マーケットコード KLX250SGS
型式 JBK-LX250S
全長x全幅x全高 2,200mm×820mm×1,190mm
軸間距離 1,430mm
最低地上高 285mm
シート高 890mm
キャスター/トレール 26°30″/105mm
エンジン種類/弁方式 水冷4ストローク 単気筒 / DOHC4バルブ
総排気量 249cm3
内径x行程/圧縮比 72.0mm×61.2mm / 11.0:1
最高出力 18kW(24PS)/9,000rpm
最大トルク 21N・m(2.1kgf・m)/7,000rpm
始動方式 セルフスターター
点火方式 CDI
潤滑方式 ウエットサンプ
エンジンオイル容量 1.3L
燃料供給方式 フューエルインジェクション
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
ギヤ・レシオ 1速 3.000(30/10)
2速 2.000(30/15)
3速 1.500(27/18)
4速 1.190(25/21)
5速 1.050(21/20)
6速 0.952(20/21)
一次減速比/ 二次減速比 2.800(84/30) / 3.000(42/14)
フレーム形式 セミダブルクレードル
懸架方式 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 43mm)
スイングアーム(ユニ・トラック)
ホイールトラベル 255mm
230mm
タイヤサイズ 3.00-21 51P
4.60-18 63P
ホイールサイズ 21×1.60
18×2.15
ブレーキ形式 シングルディスク250mm(外径)
シングルディスク240mm(外径)
ステアリングアングル (左/右) 45°/ 45°
車両重量 136kg
燃料タンク容量 7.7L
乗車定員 2名
燃料消費率(km/L) 40.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)
29.5km/L(WMTCモード値 クラス2-2、1名乗車時)
最小回転半径 2.4m
カラー ライムグリーン(LIM)
価格 56万4,840円(税込み・当時)
発売日 2016年5月15日
ルーツはエンデューロモデル[1993 KLX250R]
1993年モデル KLX250R

4ストロークエンデューロモデル。保安部品を取り去った車体はKLX250SRより5㎏軽く、エンジンパワーは2㎰アップ。足まわりもよく、向かうところ敵なしと言われるほどの強さを誇った

KLXシリーズの変遷

1993 KLX250SR

4ストロークの常識を覆す軽さとパワーを追求。倒立フロントフォークなどとの組み合わせで高い走行性能を実現した結果、時代を大きく変えた。キャッチフレーズは“闘う4スト”

1994 KLX250ES
1994年モデル KLX250ES

スプリント指向のKLX250SRをベースに、街でも使いやすいようセルを搭載。正立フロントフォークを採用し、エンジンの特性は低中速域に振っている。車重は10㎏増加したが、十分なポテンシャルを持っていた

1998 KLX250
1999年モデル KLX250

KLX250SR、KLX250ESと2種あった4ストロークデュアルパーパスを統合。双方のよいところを組み合わせた。元気なエンジン特性はそのままに、多機能デジタルメーターなどの採用で装備を充実

問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




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