2009年モデル ZRX1200 DAEG

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ヨシムラ

ZRX1100から数えれば12年間ラインナップしてきたZRXシリーズのリッタークラスモデル。このZRXシリーズが2009年式で新たに生まれ変わった。国内専用モデルとして、工夫を凝らした各部の詳細に迫る。

国内での走行性能と利便性を第一に考えて熟成を図る

2001年、ZRX1100から排気量をアップし、2008年までラインナップされてきたZRX1200R。ZRX1100の時代から、街乗りからワインディング、そして容量の大きな収納スペースと抜群の積載性で、ツーリングへの適応力の高いネイキッドとして、根強い人気を獲得。さらにカスタムベース車として使用するユーザーも多く、幅広い支持を受けていた。

そのZRX1200Rが2009年式で新しく生まれ変わった。モデル名はZRX1200 DAEG。新しくモデル名として採用された“DAEG”は“ダエグ”と読み、ベーシックな流れを組みながら、進化・飛躍したという意味が込められている。このことからも言えるように、ZRX1200 DAEGは、走行性能やデザイン、そしてテイストは、従来のZRXシリーズの流れながら全般的に進化させたモデルとなっている。

2009年モデル ZRX1200 DAEG エンブレム

また、ZRX1200Rは国内仕様と輸出仕様がラインナップされていたが、ZRX1200 DAEGは国内専用モデルとして発売される。そのため、ハンドルのグリップ位置をライダー側に近づけるなど、日本人の体形に合わせたコンパクトなポジションへと変更している。

2009年モデル ZRX1200 DAEG
2009年モデル ZRX1200 DAEG
ビキニカウルからタンク、そしてテールカウルなど、外装パーツをメインに鋭角的なデザインを取り入れ、ZRX1200Rよりシャープなイメージを持たせた

2009年モデル ZRX1200 DAEG
2009年モデル ZRX1200 DAEG
鋭角的なウインカーを採用するなど細かな変更をほどこす。リヤフェンダーは分割式となっていて、フェンダーレス化を容易にできるよう工夫される

これまでZRXシリーズといえば、1100から1200へ排気量を変更したとき以外は、極端に大きなモデルチェンジは行なわなかった。しかし、今回は細部にまでわたり変更されているのだ。パワーユニットについて触れると、ZRX1200Rがキャブレターなのに対し、ZRX1200 DAEGではインジェクションを採用。近年では、インジェクションの採用というと、排ガス規制に対応するためといった印象を受けるかもしれない。しかし、ZRX1200 DAEGの場合は、排ガス規制に対応させながらも、しっかりとパフォーマスをアップさせてきたのだ。その結果、最高出力は、ZRX1200Rの国内仕様が95psなのに対し、ZRX1200 DAEGは110psを発揮。15psも上げてきているのだ。また、カムプロファイル、バルブスプリング、ロッカーアームを仕様変更しフリクションロスを低減。低中速域での性能向上のため、吸気バルブ径を変更するなど、全回転域にわたって、レスポンスやパワーフィールの向上を図った。

車体に関しても、フロントフォークのオフセット量を28mmから30mm、トレール値を108mmから100mmへと変更したり、フレームからブレーキ、さらにはホイールやサスペンションまで、走行性能向上のために細かな仕様変更を行なっている。

それ以外にもETC車載器をオプション設定するなど国内を意識した作りとなる。まさにZRX1200 DAEGは、ジャパニーズスタンダードネイキッドと呼ぶにふさわしいモデルといえる。

2009年モデル ZRX1200 DAEGのカラーバリエーション

ETC車載器をオプションで販売
2009年モデル ZRX1200 DAEG ETC 車載器(オプション)

ツーリングユースを想定してETC車載器をオプションとして用意。車載器はシート下に収納。アンテナとインジケーターランプ、取り付けステーなどは、ビキニカウル内側に装着可能となっていて、インナーパネルのフタを取り外すと、ランプの確認が可能

2008年モデル ZRX1200R

2008年モデル ZRX1200R

1997年にZRX1100がデビューしてから、2008年式ZRX1200Rまで、スタイルを大きく変えずラインナップしてきた。ゼファーと並んで、カワサキのスタンダードネイキッドといえる存在であった。ZRX1200 DAEGと比較すると、ややボリュームを感じる。走行性能も意識され、マフラーを車体に寄せてバンク角の確保を図っていた

2009年モデル ZRX1200 DAEGの主なスペック

車名(通称名) ZRX1200 DAEG
マーケットコード ZR1200D9F(キャンディミスティックブルー,メタリックインペリアルレッド)
ZR1200D9FA(パールメテオグレー×メタリックスパークブラック)
型式 EBL-ZRT20D
全長x全幅x全高 2,150mm×770mm×1,155mm
軸間距離 1,470mm
最低地上高 135mm
シート高 795mm
キャスター/トレール 24.5° / 100mm
エンジン種類/弁方式 水冷4ストローク並列4気筒 / DOHC4バルブ
総排気量 1164cm3
内径x行程/圧縮比 79.0mm × 59.4mm / 10.1:1
最高出力 81kW(110PS)/8,000rpm
最大トルク 107N・m(10.9kgf・m)/6,000rpm
始動方式 セルフスターター
点火方式 電子進角式トランジスタ
潤滑方式 ウエットサンプ
エンジンオイル容量 3.5L
燃料供給方式 フューエルインジェクション
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
ギヤ・レシオ 1速 2.733(41/15)
2速 1.947(37/19)
3速 1.590(35/22)
4速 1.333(32/24)
5速 1.153(30/26)
6速 1.035(29/28)
一次減速比/ 二次減速比 1.615(84/52) / 2.444(44/18)
フレーム形式 ダブルクレードル
懸架方式 テレスコピック(インナーチューブ径43mm) 
スイングアーム(オイルショック)
ホイールトラベル 115mm
122mm
タイヤサイズ 120/70 ZR17M/C (58W)
180/55 ZR17M/C (73W)
ホイールサイズ 17M/C×MT3.50
17M/C×MT5.50
ブレーキ形式 デュアルディスク 310mm(外径)
シングルディスク 250mm(外径)
ステアリングアングル(左/右) 38°/ 38°
車輌重量(整備) 246kg
燃料タンク容量 18.0 L
乗車定員 2名
定地燃費(2名乗車時) 25.8km/L(60km/h・国土交通省届出値)
最小回転半径 2.7m
メーカー希望小売価格 112万円(キャンディミスティックブルー,メタリックインペリアルレッド)
114万円(パールメテオグレー×メタリックスパークブラック)
※税抜・当時
発売日 2009年2月1日
問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/



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