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カワサキバイクマガジンvol.66掲載記事(2007年6月1日発売)
ライダー:鶴田竜二 写真:武田大祐
車両協力:ウエマツ

豹変する加速力とは逆にストレスなきエンジン

1969 500SS マッハⅢ インプレッション

では、具体的な性能を見ていこう。まずエンジンだが、ここが“ジャジャ馬”と呼ばれる一番の由縁で、マッハⅢの乗り味を象徴している部分でもある。予想どおりのピーキーさ。低回転ではスロットル操作に対するエンジン回転数のツキがそれほど強くなく、強烈な加速感はない。それが一変、中回転あたりから一気にレスポンスが向上。強烈に加速して、高回転域まで一気に吹け上がる。この辺は2ストロークエンジンの特徴でもあるが、マッハⅢの場合、その差はあまりにも大きい。

一般的に500ccクラスの2ストロークエンジンは、250ccクラスより低回転域にトルク感があり扱いやすい。それでいて、パワーバンドに入ると力強く加速していく。確かにマッハⅢもその傾向はある。しかし、パワーバンドに入ったときの加速感やエンジン回転の伸びが、当時の他モデルの比ではない。1歩も2歩もひいでているのだ。馬力にして60ps。今ほど高出力モデルが発売されていなかった時代、いきなりこの出力特性を目のあたりにしたら、さぞかし扱いづらかったに違いない。

でも、ちょっと待ってほしい。だからといって、エンジン性能にストレスを感じるかといったらそうでもない。加速感が変化するといっても、エンジンの回転は至ってスムーズ。この仕上がりはさすがカワサキの名車といったところだ。

ただしエンジンの振動だけは、お世辞にも小さいとはいえない。低回転のときならまだしも中回転域、ちょうどパワーバンドに入っていくころから、エンジンが激しく震え出す。まるで車両が「これからパワー出しまっせ!」と語るかのように…。言い替えればこれは予感の振動。これからパワーバンドに入っていくぞという、ライダーの背筋にもピンと一本緊張感が走る瞬間でもあるのだ。




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