SENSATIONAL SYSTEM OF K

バイク業界に影響を与えたカワサキ。その中で、特にカワサキが口火を切ったシステムを紹介

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現在、ノスタルジックなスタイルを追求するモデル以外、ほとんどのバイクが採用するリンク式のリヤモノショックサスペンション。このスタイルを確立したのがカワサキのユニトラックサスペンションだったことはあまり知られていない

1981 AR50

現在ではZRX1200DAEGやW800といったノスタルジックなスタイルを求める車両以外、オンロードからオフロードまで多くの車両に採用されているのがユニトラックサスペンションだ。もともとは、少しでも速く走ることを追求するレースシーンから生まれたシステムである。70年代の後半、カワサキはレーサーに新しい技術をどんどんつぎ込み、その中で生まれたのがリヤショックを1本とするユニトラックサスペンションなのだ。初めてその姿を世に現したのは、76年、KR250に装着されてのことだった。現在、各メーカーがそれぞれ独自のリンク方式を用いてモノショックサスペンションを採用しているが、このリンク方式を初めて使用したのがユニトラックサスペンションなのである。

AR50 カタログ

カタログには、ARに採用されたUNI-TRAKサスペンションが、レーサーからフィードバックされたもので、公道走行用のバイクでは初めて採用されたシステムであることが高らかにうたわれている

その後、79年にはモトクロッサーKXにユニトラックサスペンションを採用。全日本モトクロス選手権初戦、セーフティパーク埼玉の会場に大きな話題を提供した。市販のオンロードモデルとして初めてこのシステムを採用したのは、81年に発売された本格的な原付ロードモデルAR50だった。レーサーKRで熟成されたサスペンションシステムだっただけに、カワサキが得意とする大型車からの採用を多くの人が予想していた。そんな中、ARに採用されたのはビッグニュースとなった。

サスペンションの構造はというと、長い間、リンク部がショックの下側に配置されるボトムリンク式を採用し、リンク自体はフレームに取り付けられるスタイルをとっていた。そんな構造上の進化のなかったユニトラックサスペンションだが、04モデルのKXシリーズでは、新たにリンクがスイングアームに取り付けられるニュー・ユニトラックサスペンションへと進化している。新しい方式の利点は二つあるとのこと。一つはサスペンションにかかる荷重が、スイングアームに吸収されるということ。これにより、より軽量なフレームを作ることが可能となった。そしてもう一つは、ショックアブソーバーが圧縮される際、これまで前後に動いていたものが、車体後方に弧を描くように作動するようになったということだ。ユニトラックサスペンションは、このスムーズで安定したサスペンションの作動を得ることで、トラクション性能が大きく向上することを狙っているのだ。


1979 KR250

すでにサスペンションがモノショックになっているため、外からはショックが見えなくなっている。70年代後半から80年代初頭にかけての常勝マシンである

2003年モデルおよび2004年モデル KX250サスペンション

右(2003年モデルKX250)が今までのスタイルで、リンクがフレームに取り付けられている。左(2004年モデルKX250)がニュー・ユニトラックで、スイングアームにリンクが接続されている

2012 KLX250

93年の発売以来、スイングアームの形状は変わったりしたが、リヤサスペンションの構造自体には変化なく、ユニトラックを採用している

2012 ZX-14R

ZX-6RやZX-14Rといったトップレンジのスポーツモデルも大々的にアピールしてはいないが、ユニトラックサスペンションを採用する

KAZU 中西

1967年4月2日生まれ。モータージャーナリスト。二輪雑誌での執筆やインプレッション、イベントでのMC、ラジオのDJなど多彩な分野で活躍。アフターパーツメーカーの開発にも携わる。その一方、二輪安全運転推進委員会指導員として、安全運転の啓蒙活動を実施。静岡県の伊豆スカイラインにおける二輪事故に起因する重大事故を撲滅するための活動“伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦"の隊長を務める。過去から現在まで非常に多くの車両を所有し、カワサキ車ではGPZ900R、ZZR1100、ゼファーをはじめ、数十台を乗り継ぎ、現在はZ750D1に乗る。 http://ameblo.jp/kazu55z/ https://twitter.com/kazu55z

カワサキバイクマガジンvol.53掲載記事(2005年4月1日発売・一部修正)






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