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カワサキバイクマガジンvol.35掲載記事(2002年4月1日発売)
ライダー:鶴田竜二 写真:武田大祐 まとめ:藤沢 大
車両協力:MSL ZEPHYR

2002 ZZR1200(ZX1200C1) インプレッション

新たなる方向性を生み出したスポーツツアラー

が、しかし、このZZR1200の評価すべき最大の点は、その優れた運動性能であり、特に胸のすくような加速感にほかならない。高速コーナーを旋回し、ストレートが見えた出口でアクセルを開ければ、2速ホールドのままリヤタイヤを空転させるような勢いでドーンと加速。そして瞬時に100km/hに到達する俊敏さを見せ、さらにラムエアの圧力が効きはじめると独特の加速フィーリングを作り上げる。これはラムエアとキャブの組合せの賜物だろう。マシンから全身にダイレクトに伝わってくる独特の加速感は他に類を見ない乗り味であり、これこそがZZR1200の真骨頂である。が、それが暴力的で扱い難いというものではなく、人間の感覚の中で実に分りやすくまとまっているのである。

確かに、ZX-12Rの加速もすごいものがある。が、インジェクションのどこか無機質なフィーリングに比べ、キャブは人間の感性に近いように思え好感が持てるのだ。さらに言えば、12Rの場合は乗り手が気が付かないうちに超高速に達してしまい、ライダーの意志を越え、バイクだけが遥か違う次元にいってしまうことがあるが、それに比べZZRの場合はスロットルに対するスピード感というものが素直でわかりやすい。また、ベースエンジンとなったネイキッドのZRX1200に比べても、レスポンスが良好でラムエア装着の影響もあり、より迫力のあるエンジンに仕上がっているといえるだろう。

2002 ZZR1200(ZX1200C1) インプレッション

コーナーでのバンク角も大柄な車体からは想像できないくらい深く、思った以上によく寝るのだが、もともとの旋回性が高いので、不用意に寝かす必要もないほどコーナリングは優れている。逆にわずかに気になったのがフロントまわりにおけるブレーキの制動力とサスペンションの追従性だ。フル加速からコーナーに進入するために減速し、マシンを寝かせ、旋回を開始するまでの大事な段階で、もう少し好みに合わせたセッティングができるといいのだが、ZZR1200のフロントフォークにはダンパー調整機能が装着されておらず、セッティングができない。もし、ダンパー調整が可能で、なおかつフロントブレーキを含む、この部分の次元がもう少し高ければ、より高次元で戦闘的なライディングを確実に楽しめるようになるのは間違いない。

また、これだけの車体、車格、車重をもったマシンなので、剛性面、追従性を考えると個人的には、倒立タイプのフロントフォークの方がよかったのではないかと思う。が、もっともこれらについては、サーキットやワインディングでの、よりレーシーでハードな走りを追求した場合であり、ツアラー的な走りにおいては必要にして十分なレベルに到達しているといえるだろう。

2002 ZZR1200(ZX1200C1) メーターまわり
ハンドル幅は755mm。ゆとりのポジションとハンドリングは、ツアラーらしく、マシンコントールを軽快で疲れ難いものにしている



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