カスタムマシン

創り手の想いがふんだんに盛り込まれた、カワサキ車ベースのカスタムマシンを紹介

ZRX1200 DAEG by モーターサイクルショップ・プラッツ

扱いやすさを損なうことなく、大幅に高めたエンジンパワー

ZRX1200 DAEG by モーターサイクルショップ プラッツ

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ヨシムラ

全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐に参戦するモーターサイクルショップ・プラッツ。その豊富なマシン作りのノウハウを駆使して製作されたこのダエグは、一体どんなマシンなのだろうか。

ハイパワーでも壊れない、耐久性の高さも追求する

カスタムシーンにおいては依然として高い人気を誇るZRXシリーズ。その現象はZRX1200ダエグ(以下、ダエグ)にも見ることができる。時代の流れか、それともダエグのエンジンがもともとパワフルなためか、近年のダエグカスタムでエンジンまで手が入れられたマシンはあまり見られない。

そんな時代にあえてモアパワーを追求。エンジンチューンとインジェクションセッティングを駆使して、エンジンパワーを後輪出力163psまで高めたのが、モーターサイクルショップ・プラッツ(以下、プラッツ)のダエグである。

ベース車はオーリンズのリヤショックとオーヴァーレーシングのスイングアームを用いてリヤまわりが強化されたカスタム車であり、同社ではエンジンチューンとインジェクションセッティングのみ行なったそうだ。特筆すべきはそのチューニングメニューだ。

エンジンはZZR1200の純正ピストンを用いて圧縮を高めつつ、カムシャフトをヨシムラST‐1に交換することで高回転型のパワー特性に変更。さらにポート加工や燃焼室加工のほか、ピストン&コンロッドの重量合わせまで行なうことで、ワンランク上のパワー&トルクを手に入れている。

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また、吸排気系にはヤマモトレーシングのφ46mmスロットルボディとビートのフルチタンマフラーを採用する。スペシャルエージェントのネゴシエーターを用いて、インジェクションセッティングを徹底的に煮詰めることで、チューニングエンジンのポテンシャルを最大限に引き出している。

なお、前述のようにエンジンは後輪出力163psというハイパワー仕様だが、同社代表の高松 農氏いわく「あえてエンジンパワーは160ps前後に止めた」という。やり方しだいでは容易にプラス10ps以上も出せるそうだ。

それにもかかわらず163psに止めたのは、これ以上パワーを上げるとピストンもコンロッドも高強度な社外品に交換せざるを得なくなるため。いくらハイパワーでも壊れやすいエンジンを作るわけにはいかないためだという。

チューニングのキモになるインジェクションセッティングについては、ベンチテストと実走テストを何度も繰り返しながら煮詰めていった。その際には「キャブレターと同等以上の扱いやすさを重視した」と高松氏は語る。

全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐に参戦している同社では、これまでレース用マシンのインジェクションセッティングを多数手がけているが、ストリート用マシンのインジェクションセッティングの経験は極めて少ない。そのため、意識的にファジーな部分を持たせることには苦労したようだが、これによりハイパワーでありながら壊れにくく、ストリートで扱いやすいエンジンに仕上げることができたという。

とじる


マシンギャラリー

問い合わせモーターサイクルショップ プラッツ
電話番号0167ー22ー5906




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