［Z800/ABS］“獰猛さ”がテーマの新型ミドルZ、いよいよ解禁!

走行性能に特化し、前衛的なデザインが特徴のZ750。このモデルの後継機種としてZ800が登場した。エンジン排気量を拡大し車体も見直しが図られ、さらにパワフルで軽快な性能が追求されている。

エンジンの変更のポイントとなったのは、低回転域の太いトルクと高回転域のハイパワーの両立で、とくに低中回転域のパフォーマンスアップが図られた。なお、パワーとトルクとも、全域の回転数でZ750よりも高い数値を実現している。

Z750のエンジンからの具体的な変更箇所だが、まず排気量をZ750の748ccからボアを拡大し806ccとしている。この排気量拡大に合わせ、吸排気ポートの形状を変更。4本のファンネル長も、Z750では全て同じサイズだったが、Z800では1番と4番を短く、2番と3番を長く設定した。これにより、最大トルクが発生する回転数をより低く設定し、低中回転域のトルクアップと日常での扱いやすさを実現している。

フューエルインジェクションはスロットルボディの口径をZ750の32mmから34mmへ大径化。エアインテークダクトもZ750の36.5mmから41.5mmに延長し、幅も拡大している。こうしてレッドゾーンまでスムーズなエンジンレスポンスとした。

シリンダーに関しては、Z750ではグラビティ鋳造にスチール製ライナーを取り付けたタイプだったが、Z800ではアルミダイキャスト製メッキシリンダーを採用。オープンデッキとすることでZ750より約1kg軽量化している。軽量化に関して追記すると、ピストンも高さを抑えることで軽量化に貢献している。

車体は、軽快かつライダーの操作に忠実なハンドリング性能とし、路面追従性も向上すべく改良された。車体の骨格となるフレームはZ750Rをベースとして、バックボーンフレームに高張力スチール鋼管を採用すると同時に、左右のサブフレーム前部をパイプで連結。剛性バランスやねじれ剛性を最適化し、ハンドリングの安定性を向上させている。

路面追従性を向上させるためのポイントがサスペンションの変更だ。スイングアームはファイナルギアの設定に合わせ、Z750の560mmから572mmに延長。排気量拡大とフレーム剛性の変更に合わせて、インナーチューブ径41mmのフロントフォークをリセッティングしている。リヤショックに関しては、Z750ではセンターより38mm右側にオフセットしていたが、Z800ではセンターより20mm左側にオフセット。この変更により、サイレンサーを配置するスペースを確保すると同時に、左右の重量バランスを最適化し、ハンドリング性能の向上に貢献させている。他、シート、ハンドル、ステップの位置関係など、人間工学に基づいた車体設計とすることにより、ライダーが操作しやすい車体としている。

スタイリングも一新され、もともと鋭角的なデザインを取り入れていたが、ヘッドライトまわりやシュラウド、テールカウルなど、よりシャープさが強調されたデザインとなっている。さらにシートデザインやテールランプなど、車体の数カ所に“Z”の文字をアクセントとして取り入れ、Zブランドを強調している。メーターはZ750とはまったくことなる幾何学的な形状を採用。3つの液晶パネルを組み合わせ、走行に必要な情報の表示は、すべてこの液晶パネルでまかなっている。

モデルチェンジするごとにエキサイティングな性能となっていく現代のZ。姿・性能ともにエキサイティングでありながらライダーフレンドリーな新しいZが、ここに誕生した。

オフィシャルビデオ

2013年モデル Z800 (ZR800ADF)※欧州一般仕様

2013年モデル Z800 (ZR800CDF)※欧州一般仕様

2013年モデル Z800 ABS (ZR800BDF)※欧州一般仕様

2013年モデル Z800 ABS (ZR800DDF)※欧州一般仕様

スペック一覧