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ヨシムラ

2022 スーパーバイク世界選手権第11戦 カワサキレーシングチーム

11月11日(金)から公式予選がスタートし、12日、13日の土日で開催された2022年スーパーバイク世界選手権第11戦インドネシア大会。カワサキレーシングチーム(KRT)のジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は、再舗装されたばかりのプルタミナ・マンダリカ国際サーキットで2022年スーパーバイク世界選手権第11戦のフリー走行から挑んでいった。フリー走行は2度行なわれたが、フリープラクティス(FP)1開始時の路面は汚れて埃っぽい状態だった。新しいアスファルトは非常に滑らかではあるが、路面をキレイにするために必要なサーキット走行がレース前までなかったため、FP1はとくに各ライダーにとって難しいものとなったようだ。

KRTも暑いながらもドライコンディションのなか、路面コンディションの影響もあってか従来のようなペースで走れないこともあったが、レイ選手は予選4番手タイムを出し、そのペースと経験を証明した。ロウズ選手は両セッションともマシンセットアップに集中し、FP2終了後のファステストラップは出なかったものの、11番手のラップタイムを記録している。また、マンダリカの天候が決勝までドライであれば、レースで使用する予定のピレリ製SC0タイヤのオプションの調整も行なった。

スーパーバイク世界選手権は1大会ごとに3レースが開催される。通常だと土曜日にレース1、日曜日午前にスプリントレースのスーパーポールレース、そして午後にはレース2が開催されることになる。今回もスケジュールどおりに12日(土)にはレース1が開催。11月中旬ではあるが、レース1開催時の気温は38度、アスファルトの路面温度は58度に達するという過酷な環境でレースはスタートする。

レース1最初の数周、レイ選手はトプラック・ラズガトリオグル選手に肉薄する走りを見せた。しかし、レースが進むにつれてリヤタイヤのグリップが低下し、アルヴァロ・バウティスタ選手に抜かれることとなった。しかしレイ選手は冷静なライディングを見せ、暑さと路面コンディションのなか、21周を終えて3位でチェッカーを受けている。

2022 スーパーバイク世界選手権第11戦 カワサキレーシングチーム

ロウズ選手はレース序盤でコースアウトを喫したが、ペースを上げると持ち前のパッシング能力を発揮して再び上位に浮上。終盤でG・ゲルロフ選手をパスしたが、最終ラップでニュートラルに入ってしまうという痛恨のミスで2つ順位を落とし、9位でチェッカーを受けることになった。

2022 スーパーバイク世界選手権第11戦 カワサキレーシングチーム

全長4.310kmのマンダリカ・サーキットは最近になって再舗装されたばかり。そのためパッシングのチャンスも、偶発的な冒険も、不確実で神経質な体験となっていた。狭いレーシングラインを「ラバー・イン」するため、金曜日は予想以上に低速となっていたが、土曜日のレース1ではサーキットレコードとラップレコードが更新された。

2022 スーパーバイク世界選手権第11戦 カワサキレーシングチーム

レース1終了時、レイ選手は路面状況に関しては、金曜日と土曜日にラバーリングできたことから路面状況は日曜日のほうがよくなるだろうと楽観的に捉えていた。ただしNinja ZX-10RRのグリップレベル、とくに消耗してからのグリップを向上させる必要があるとも述べていた。

ロウズ選手は路面状況よりも、序盤でのコースアウトでブレーキプロテクターが曲がってしまい、コースの汚れた部分に出てしまったことがレースを難しくしてしまったと振り返っている。とくに最終ラップでゲルロフ選手を抜いた後、ニュートラルに入ってしまったことで7位から9位になってしまったことを悔しがっていた。

明けて13日(日)。この日も非常に暑いなかスーパーポールレースが開催され、レイ選手は2位を獲得。優勝したトプラック・ラズガトリオグル選手からわずか0.586秒差だった。ロウズ選手は7位となっている。

さらに午後に開催されたレース2は土曜日同様に60度近い路面温度で戦うことになった。そのレース2は2022年のチャンピオンシップ争いの主役3人(レイ選手、バウティスタ選手、ラズガトリオグル選手)が序盤からリード。レイ選手も先頭グループに加わっていたが、タイヤが限界に達したため前に出ることができず、そのまま3位ゴール。しかし、カワサキにとって200回目の表彰台を獲得し、歴史に名を刻むことができた。これでレイ選手の通算表彰台獲得回数も242回となっている。

2022 スーパーバイク世界選手権第11戦 カワサキレーシングチーム

ロウズ選手は、レース2に向けてマシンのセットアップを変更したが、期待したほどの効果は得られず、9位となっている。

なお、今大会のレース2でバウティスタ選手が2位に入ったことで、バウティスタ選手は通算553ポイントを獲得。1大会ごとに3レースが開催されることは先にも触れているが、1大会・3レースで得られる最大ポイントは62(レース1とレース2は1位が25ポイント、スーパーポールレースが1位12ポイント)。レース2終了時点でシーズンランキング2位のラズガトリオグル選手が487、ランキング3位のレイ選手が450だったが、ラズガトリオグル選手が最終戦となる第12戦オーストラリア大会の3レースを全勝しても最大549ポイントまでしか獲得てぎないことから、2022年シーズンのチャンピオンの座はバウティスタ選手に渡ることになった。

日曜日の日程を終えたKRTライダー両名からのコメントは以下のとおりだ。

ジョナサン・レイ選手

「昨日に比べれば大きく進歩し、競争力も少しは上がりました。スーパーポールレースは別として、この週末はずっと距離があるように感じていたので、昨日は表彰台に上れただけで満足でした。今日はマシンのセットアップが大きく前進したと感じています。ピットではみんな本当によく頑張ってくれました。金曜日の朝に行なったセッティングに戻したのですが、今日は路面の擦れ具合がとてもよくなっていましたね。スーパーポールレースは距離が短いので、私にとってはチャンスだと思っていたし、最後まで戦えるという確信があったのですが、それだけでは十分ではなかったですね。レース2ではスタートがうまくいって、序盤はいいペースで走ることができました。何度かミスをしてトップグループから脱落してしまいましたが、その後、再び追い上げて、グリップがなくなるまでトップに喰いつけました。あとはマシンを持ち帰って表彰台を目指すだけでした」

アレックス・ロウズ選手

「スーパーポールレースの後、マシンに少し変更を加えてみたのですが、あまり効果はなかったですね。とくにセクター2では、フロントエンドの回転と信頼性に悩まされました。最終ラップまで全力を尽くしたのですが、今回はペースが上がらなかったですね。フィリップアイランドまであとわずかしかないですが、スタッフのみんなに感謝しています。”今年を力強く締めくくろう”と言いたいですね」

問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/



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