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ヨシムラ

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

長らくエヴァンゲリオンレーシングとのコラボチームとして鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦するトリックスター。今年8月7日(日)に開催された「“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会」(以下、鈴鹿8耐)にも参戦した同チームが参戦結果を報告した。前回までは8月5日の予選と8月6日のトップ10トライアルのようすを紹介したが、今回は8月7日決勝日のようすをお届けする。テレビや現地ではうかがい知れなかったチームの裏側や状況なども触れられている内容となっている

前回の記事はこちら

トリックスターかく戦えり。2022年鈴鹿8耐に参戦したEVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasakiが参戦結果を報告-8月5日予選から8月6日トップ10トライアルまで

度重なるマシントラブルに翻弄されて決勝は未完走扱いの総合41位

8月7日の決勝日。決勝日は予選、トップ10トライアルとはうってかわって日差しが差し込む、とてもよい天候となった。スタートライダーはエースの大久保選手。彼自身、初のスタートライダーということでとても緊張したようすだった。10番グリットからスタートした大久保選手はエンジンが1回でかからず、ほぼ最後尾付近まで順位を落としてしまう。しかし、そこから怒涛の追い上げを開始。1 周目は15台近くオーバーテイクして25位まで順位をアップ。2周目には22位まで順位を上げるが、スプーンカーブでの多重クラッシュによりセーフティーカーが入ることになった。スタートで大きく出遅れてしまったため、この介入はチームにとっては差を縮めるチャンスとなった。

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

5周のセーフティーカーランの後、レースは再開。すぐさま2台をパスして20位に順位を上げる。その後は上位陣と変わらぬハイペースで追い上げていき、12位で第1スティントを終えて佐野選手に交代する。交代した佐野選手も2分10秒台のハイペースで周回を重ねていき37周目に11位、48周目に10位と順位を上げ、予選順位までポジションを回復する。ここで他車のピットインのタイミングもあり8位でエルワン選手に交代となった。エルワン選手は10位でコースインし、順調なペースで周回を重ねる。エルワン選手が走行していた時間帯がもっとも気温が高く過酷な時間帯であったが、エルワン選手はそれをものともせず周回を重ねていく。

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

60周目になると再度セーフティーカーが入ってきた。介入のタイミングもよく、7位を走る選手までの距離が大きく縮まることとなる。7位から10位までがセーフティーカー解除後は付かず離れず、そのままの間隔で走行を続け、他車のピットインのタイミングもあり8 位でエルワン選手から大久保選手へ交代となった。大久保選手に交代後、10位でコースに戻る。1スティント目より高い気温と路面温度に苦戦しながらも確実に前との差を縮めていく94周目には8位の選手と9位の選手のすぐそこまで迫っていた。

しかし、96周目に大久保選手はマシンに異変を感じて緊急ピットイン。大久保選手からマシンの症状を聞き、すぐさまチームスタッフはマシンのチェックを実施。不具合箇所を修正してライダーを佐野選手に交代してコースに戻るが、このピットインが9分のタイムロスとなり、20位でコースに復帰することとなる。コース復帰後、佐野選手は2分10秒前半というハイペースで周回を重ねていった。それを確認してマシンが直ったと安心したのも束の間、109周目に再び緊急ピットイン。症状は先ほどの大久保選手のものと同じ。マシンのトラブルはまだ解消されていなかったようだ。再びマシンを修復して佐野選手がそのままコースに戻るが、この時点で28位までポジションを落としてしまう。コースに戻った佐野選手は2分09秒台に入れるハイペースで再び周回を始めるが、コース復帰から8周後の117周目に再び同じトラブルが発生し、緊急ピットイン。応急処置ではなくしっかりと対策を行なうために36分のピット作業の後にエルワン選手に交代し、38位でコースに戻った。コースに戻ったエルワン選手は佐野選手同様に2分09秒台に入れるハイペースで周回を開始するが、125周目に再び緊急ピットイン。エルワン選手のコメントを聞くと今までとは別の症状が起きてしまっているようで、細かくマシンのチェックを行なうために長時間のピット作業を行なうことを決断する。結果、1時間13分のピット作業を行ない、大久保選手に交代してコースイン。

レースの残り時間は約1時間。スタッフはトラブルがでないことを祈りながら大久保選手をコースに送り出す。しかし132周目に再びトラブルが再発してしまいピットイン。マシンを修復し、ラスト5分で再びコースに戻り、チェッカーフラッグを受ける。結果は41位(141周・未完走)で2022年の鈴鹿8耐を終えることになった。

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

ライダーやチーム監督からのコメントは以下のとおりだ。

大久保 光選手

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

「今回のレースウィークはウィーク通して、とてもよい流れでいけたと思います。私が諸事情により水曜日の午後からの参加となってしまいましたが、チームメイトの佐野選手とエルワン選手がマシンをいい状態に仕上げてくれて、比較的いい走り出しをすることができました。金曜日の予選ではチームベストタイムを更新する2分07秒602というタイムを記録することができたし、佐野選手の頑張りもあり目標としていたトップ10トライアルに残ることができたので、とても順調なウィークだったのではないかと思います。

決勝レースではスタートライダーとして初のルマンスタートをしたのですが、エンジンの始動が上手くいかず大きく順位を落としてしまいましたが、その後は2分09秒から10秒のハイペースで周回を重ねて追い上げていき、ポテンシャルの高い状態でレースができました。ただトラブルが出てしまい、なんとかチェッカーを受けることはできましたが、未完走扱いと残念な結果になってしまい、とても悔しい思いをしました。結果は残念でしたが、次につながる走りや反省点や課題などをしっかりとれたと思うので、次に向けてお互いに頑張っていけたらと思います。

最後になりましたがスポンサーの皆さまやファンの皆さま、たくさんの応援をしていただきありがとうございます。私の方はMoto E World Cupの方にも参戦していきますので、そちらの方も引き続き応援よろしくお願いいたします」

佐野優人選手

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

今回のレースウィークはライダー、マシンともにとても好調でした。火曜日、水曜日のテスト走行からいい流れで走ることができ、金曜日の予選では自分の目標としていた2分07秒台に入れることができ、さらにライダーとしての夢であったトップ10トライアルへの進出を決めることができ、最高の形でセッションを進めることができました。トップ10トライアルは急きょ計時予選になってしまい、とても残念でしたが、計時予選でも予選同様に確かな手ごたえを感じることができました。

日曜日の決勝レースでは、1スティント目はウィークで1番気温、路面温度が上がってしまい、自分が想定していたペースで走ることができませんでしたが、じっくりと耐えて転倒やトラブルなく自分の仕事ができたかなと思っています。次のスティントに向けて準備をしているなかで大久保選手がマシントラブルのため緊急ピットインがあり、修復して自分が走り出しても10周足らずでトラブルが再発。そのまま最後まで直ることなく終わってしまい、とても悔しかったです。トラブルが起きるまでは3人ともとてもいいペースで走ることができ、目標にしていたトップ6が見えていただけに不完全燃焼という感じで8時間が終わってしまいました。

今回の8耐はトップ10トライアルに残ることができ土曜日まではすごく順調にいき素晴らしい流れで来れていただけに、レースでそれがくずれてしまい、とても残念でしたので、また来年リベンジしたいと思いました。

最後に応援していただいたスポンサーやファンの皆さまありがとうございました」

エルワン・ニゴン選手

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

「今回の参戦が決まったのはレースの3週間前でした。しかし不安や心配事はまったくなく、私にとって家族のような特別なチームであるトリックスターに戻ることができるという喜びと期待感を持って鈴鹿サーキットに来ました。

チームに合流したテスト走行では、初めての新型車両、初めてのタイヤ、チームメイトとのポジションの違いなどに慣れるのに最初は苦労しましたが、周回を重ねるごとにポテンシャルの高さを感じてペースアップすることができました。予選では運悪く、ドライコンディションで走ることができませんでしたが、若手の大久保選手と佐野選手が素晴らしいタイムを記録してくれたことでトップ10トライアルに残ることができました。こうして若い選手の成長を見ることができたのも、私自身とても勇気づけられ、高いモチベーションにつながりました。

決勝レースでは途中までいい形で走行できていましたが、マシントラブルにより未完走扱いになり、とても残念でした。ですが3名のライダーが2分09秒、10秒を安定して決勝レースで記録できたことに関しては大きな進歩を感じましたし、また来年もこのチームで同じメンバーでリベンジしたいと思いました。たくさんの応援をいただき、ありがとうございました」

鶴田竜二監督

2022年8月7日 鈴鹿8耐 決勝 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki

「まずはこうして鈴鹿8時間耐久ロードレースが3年ぶりに開催され、レースに参加できたことにとても嬉しく思っております。

レースの方は、予選までの流れはとても好調であり、決勝にも大いに期待が持てただけに悔しい結果となってしまいました。しかし、ライダーやクルーは最後まで諦めずに頑張ってくれました。この頑張りを今後の糧としてまたチャレンジして参りたいと思います。

今回の私たちのレース活動に多大なるご支援とご協力をいただいた皆さま、ファンの皆さまに感謝しております」

問い合わせトリックスター
TEL052-908-1486
URLhttps://www.trickstar.jp



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