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セルフステアを最大限に有効活用し、巨体に体をあずけてスマートに旋回

1979 Z1300(KZ1300A) インプレッション

安定している。エンジンにしても非常にマイルドでスムーズ。なんというか…、まるで高級セダン車に乗っているよう。しかも単純に安定してマイルドなだけでなく、パワー感とトルク感も十分。ひとたびアクセルを開ければ、車体がグイグイ前に押し出される。本当にコイツは1979年に発売されたモノなのか…。その懐の深さに、現行モデルに近い感覚さえ覚えてしまった。

この安定感は6気筒エンジンを支えるがために設計された車体設計による効果が大きい。巨大なエンジンを支えるためには、車体剛性も高くしなければならない。となると、素材や技術も今ほどなかった時代だけに乾燥重量も重くなる。結果、自然と安定感が増すといわけだ。単に重いだけの安定感だけでなく、車体剛性もシッカリ兼ねそろえている。

だから、直線だけでなくコーナリングも安定している。確かに直進安定性が強く重量感も感じるが、だからといってアンダーステアがキツイということもない。イン側にキチッと体重移動すれば、車体は無理なくグーッと傾く。それにともなってハンドルも自然に切れ込んでいく。いわゆるセルフステア。どの車両にもセルフステアの効果はあるが、とくにZ1300はこの効果が強く感じられる。しかもハンドルが切れ込みすぎるということもない。コーナーの立ち上がりに関しても、車体は無理なく起こすことができ、それにともなってハンドルもグイッと元に戻る感覚。だから、直進安定志向が強い反面、ハンドリング性能もいたってスムーズ。接地感もあって、もうちょっと攻め込んでみようとさえも思ってしまうほど。かつて、僕がバイクショップで「絶対に引き起こせない」と感じた巨大なフォルムとは逆に、乗ってしまえば割とニュートラルに走れたのが印象的だった。

ただ一つ、リヤショックのダンパーの効果が薄いように感じた。クルージングで旋回しているときは目立たないが、ある程度攻め込んでいくと、このネガな部分が現れてしまう。サスペンションがいったん沈んで、そのまま反動で戻ってしまうような感覚。だからコーナリング中に、ある一定以上の荷重をリヤにかけ続けられなくなってしまう。でも、これだけの乾燥重量のある車両。Z1300の発売当時からしてみれば仕方ないことなのかもしれない。それよりも、6気筒エンジンという巨大なエンジンを積みながら、違和感ないスムーズなハンドリング性能を持った車体を、1970年代に確立させていたことを素直に評価したい。




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