ヨシムラ
フルカウル400ccスポーツバイク・ニンジャ400R。2014年モデルでは、市街地から高速道路、ワインディングまで快適に走行できる前モデルの性能はそのままに、各部を熟成。エンジン、車体、デザインが一新され、モデル名もニンジャ400として生まれ変わる。
変更点は細部にまでわたるが、今回のモデルチェンジにおける大きなポイントは車体だ。ニンジャ400は高張力鋼管ダブルぺリメターフレームを採用する。このフレームは、上下に平行する2本のパイプがメインフレーム部分でツインスパーフレームのようにレイアウトされているのが特徴で、メインフレームの後端はクロスパイプで連結され、その後バックボーンタイプのシートレールへとつながる車体構造となっている。
通常、シートレールのメインパイプは左右2本で構成されるが、ニンジャ400の場合はバックボーンタイプの1本のメインパイプで構成される。このフレーム構造を採用することにより、軽量化と剛性バランスの最適化を図り、また、シートレールをバックボーンタイプとすることで車体設計に自由度が生まれ、車体のスリム化にも貢献している。
足まわりの変更点では、スイングアームとリヤアクスルホルダーを鍛造タイプへと変更し、剛性を強化。加えて前後サスペンションのセッティングを見直すことで、従来からのスポーツ性を維持しながら乗り心地を向上させている。
車体構造の改良は、走行性能の向上だけでなく、乗り手の快適性向上にもつながっている。たとえば足着きである。幅の狭いパラレルツインエンジンに加え、設計の自由度が高い車体とすることで、ニーグリップ位置をスリム化。それが足着きの向上につながっている。この足着き向上をはじめとして、ニンジャ400では快適なライディングを追求する変更が数多く行なわれている。
たとえば、ハンドル幅をワイド化すると同時に、アップライトなライディングポジションへに変更したこと。これにより長距離走行による疲労の軽減がかなり期待できることだろう。またウィンドスクリーンは、工具を使用することで三段階(移動幅3cmずつ。カワサキイチバン調べ)の変更が可能で、防風機能が高められている。その他にも、シートはウレタンの厚みが増え、かつ座面が拡大したことで乗り心地のよさが追及され、クラッチレバーは扱いやすさを重視し、操作感が軽くなるようにセットアップされている。また走行時のエンジン放射熱対策として、サイドカウル開口部が大きくなり、カウル内側にも導風板を装備。さらにフレームカバーも追加するなど、ライダーに伝わる熱の対策を行なっている。
新作となるメーター類は、アナログのタコメーターとデジタル液晶ディスプレイを組み合わせたタイプを装備している。デジタル液晶ディスプレイにはスピード、ガソリン残量で走行可能な距離を表示する走行可能距離計や、燃費の平均値および瞬間燃費を表示する平均/瞬間燃費計などが表示される。灯火類には、シャープな印象が高められたデュアルヘッドライトと視認性に優れるLEDテールランプを採用した。
外装は一新され、シャープでボリューム感のあるスタイルへと変更された。シャープさの演出としては、エッジの効いたカウルデザインや、フロントフェンダーの形状変更およびマフラーエンド部の跳ね上がり角度を鋭角に変更した点などが挙げられる。ボリューム感を持たせた箇所の一例がタンクだ。燃料タンク容量は前モデルから変更ないのだが、タンクの高さが20mmアップし、ボリューム感のあるスタイリングへと変更されている。
採用するエンジンは、低中速回転域でパラレルツインならではの粘り強いトルクを発揮。市街地からワインディングロードまでさまざまなシチュエーションで走りをより楽しめる特性となっている。
カラーリングはキャンディバーントオレンジ ×メタリックスパークブラックとメタリックムーンダストグレー ×メタリックスパークブラックの2色展開となる。
スペシャルエディションも同時発売され、スペシャルエディションにはABSモデルもラインナップされる。カラーリングは、キャンディライムグリーン×メタリックスパークブラックが採用され、エンブレムやリムにゴールドがあしらわれるなど、高級感がただようデザインとなっている。
ニンジャ400の利便性を高める純正オプションパーツもリリースされる予定だ。積載量を大幅に増やせるパニアケースセット(GIVI製35L)、トップケース(GIVI製30L)は車体と同様のカラーリングが採用され、車両全体のイメージの統一を図れる。それに合わせてパニアケースブラケット、トップケースブラケットもラインナップされる。その他、スポーツテイストを強調できるシングルシートカバーや、転倒など万が一の時に車両を守るエンジンガード、持ち運びにも便利でシート下に収納可能なカワサキオリジナルU字ロック、高速走行で役立つETC車載器キットもラインナップされる。
2014年モデル Ninja 400
2014年モデル Ninja 400 Special Edition
2014年モデル Ninja 400 ABS Special Edition
スペック一覧
全長×全幅×全高 | 2,110×770×1,180(mm) | |
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軸間距離 | 1,410mm | |
最低地上高 | 130mm | |
シート高 | 805mm | |
ホイールトラベル | (F)125mm (R)130mm | |
キャスター/トレール | 25°/110mm | |
ハンドル切れ角(左/右) | 35°/35° | |
Fサスペンション | テレスコピック(インナーチューブ径 41mm) | |
Fブレーキ | デュアルディスク300mm(外径) | |
Rサスペンション | スイングアーム | |
Rブレーキ | シングルディスク220mm(外径) | |
車両重量 | 209kg 211kg(ABS Special Edition) |
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エンジン | 水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ・399cm3 | |
ボア×ストローク | 68.4×54.3(mm) | |
圧縮比 | 11.0 | |
最高出力 | 32kW(44ps)/9,500rpm | |
最大トルク | 37N・m(3.8kgf・m)/7,500rpm | |
トランスミッション型式 | 常噛6段リターン | |
一次減速比 | 2.095(88/42) | |
ギヤレシオ | 1速 | 3.000(42/14) |
2速 | 2.166(39/18) | |
3速 | 1.640(41/25) | |
4速 | 1.360(34/25) | |
5速 | 1.192(31/26) | |
6速 | 1.040(26/25) | |
二次減速比 | 3.066(46/15) | |
燃料タンク容量 | 15L | |
タイヤサイズ | (F)120/70ZR17M/C(58W) (R)160/60ZR17M/C(69W) |
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メーカー希望小売価格 | 64万9,950円 66万9,900円(Special Edition) 72万300円(ABS Special Edition) |
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発売予定日 | 2013年12月1日 |