ヨシムラ
KXシリーズのミニモトクロッサー3台が、フルモデルチェンジして登場した。発表されたのはKX85、KX85-Ⅱ、KX100の3機種。この3台に共通する主な改良点は、新しいボディデザインの採用と新技術を数多く用いたことによる出力&トルクアップ、さらに操縦性の向上が挙げられる。
エンジンには新技術を多数採用し、前モデルからの大幅なパフォーマンスアップを実現している。例えばシリンダーの内側を電気メッキコーティングからニッケルメッキに変更し、耐久性を向上させているほか、ピストンをシングルピストンリングに変更することでメカニカルロスの軽減に貢献させている。また燃焼室のスキッシュエリアの修正、キャブレターの最適化、ラジエターを大型化することで冷却性能を向上させるなど、エンジン内部から冷却機構に至るまでさまざまな場所に手が加えられている。
車体面では、新たにφ36mmの新型倒立フロントサスペンションを採用した。ダンピング性能を見直し、従来のポートスタイルバルブから上位モデルのKX同様、新型シムスタックタイプのバルブを採用することによって、よりスムーズな圧縮と減衰を実現。高速走行性能と乗り心地の両面を向上させている。リヤには圧縮機構の改良がほどこされた軽量リヤサスペンションを採用している。ストロークスピードの遅い領域でも、すぐれた減衰力を発揮させているほか、圧側で24段、伸側では21段の調整が可能となっている。また、ブレーキにはぺタルディスクを採用するなど、ストッピングパワーの強化を図っている点も見逃せない。
操縦性に関わる部分では、ライダーの体格に応じ、ポジションを選択できるハンドルブリッジを新採用。ライディングポジションに合わせて3つの高さ(スタンダード、+5mm、+10mm)×2つの前後位置(スタンダード、10mm前方)の組み合わせで、合計6つのポジション変更が可能となっている。また、タンクからシートにかけてのスリムなデザインと、シュラウド、シート、サイドカバーの継ぎ目をなめらかにすることで、ライダーのポジション移動がスムーズに行なえるような工夫もほどこされている。
またボディデザインには、KXシリーズの一員として存在を強くアピールする数々の仕様がほどこされている。ライムグリーンのシュラウドや前後フェンダー、フォークガードのデザインはその一例で、その他にもブルーアルマイトコーティングのアジャスター、ブラックアルマイト仕上げのリムなどそれぞれ上位機種と同様のモノが採用されている。
車体サイズはミニモトクロスだが、最新技術を数多く盛り込まれ、大きくモデルチェンジを果たしたこの3台。エントリー層からベテラン層まで幅広く対応できる本格モトクロッサーとなっている。発売は8月1日から。
2014年モデル KX85
KX85は17インチフロントホイールと14インチリヤホイールを採用する。カワサキ伝統のペリメターフレームに高回転型84cc・2ストロークエンジンを搭載する。2013年モデルと比べ全回転域でより高出力化され、最高出力は19.6%アップした。カラーはライムグリーンのみ。
スペック一覧
| 全長×全幅×全高 | 1,830×765×1,100(mm) |
|---|---|
| 軸間距離 | 1,265mm |
| シート高 | 830mm |
| 車両重量 | 75kg |
| エンジン | 水冷2ストローク単気筒・84cm3 |
| ボア×ストローク | 48.5×45.8(mm) |
| 燃料タンク容量 | 5L |
| タイヤサイズ | (F)70/100-17 40M (R)90/100-14 49M |
| 価格 | 34万8,000円 (車体価格33万1,429円、消費税1万6,571円) |
| 発売予定日 | 2013年8月1日 |
2014年モデル KX85-Ⅱ
KX85-Ⅱは、KX85と同等の車体に19インチフロントホイールと16インチリヤホイールを採用する。ラージホイールとなることで、走破性が高められており、より路面へ効率よくパワーを伝えることが可能となっている。KX85と同じく前モデルからエンジンの最高出力は19.6%アップしている。カラーは同じくライムグリーンのみ。
スペック一覧
| 全長×全幅×全高 | 1,920×765×1,150(mm) |
|---|---|
| 軸間距離 | 1,310mm |
| シート高 | 870mm |
| 車両重量 | 77kg |
| エンジン | 水冷2ストローク単気筒・84cm3 |
| ボア×ストローク | 48.5×45.8(mm) |
| 燃料タンク容量 | 5L |
| タイヤサイズ | (F) 70/100-19 42M (R)90/100-16 52M |
| 価格 | 36万9,000円 (車体価格35万1,429円、消費税1万7,571円) |
| 発売予定日 | 2013年8月1日 |
2014年モデル KX100 北米仕様(KX100F)
KX100は北米仕様の輸出モデル。ミニモトクロッサーとフルサイズレーサーの中間サイズとなり、成長過程のライダーにジャストフィットするモデルだ。ホイールサイズはフロント19インチ、リヤ16インチを採用する。エンジンは水冷2ストローク単気筒・99ccを搭載し、最高出力は前モデルから16.8%向上している。カラーはライムグリーンのみとなっている。
スペック一覧
| 全長×全幅×全高 | 1,920×765×1,150(mm) |
|---|---|
| 軸間距離 | 1,310mm |
| シート高 | 870mm |
| 車両重量 | 77kg |
| エンジン | 水冷2ストローク単気筒・99cm3 |
| ボア×ストローク | 52.5×45.8mm(mm) |
| 燃料タンク容量 | 5L |
| タイヤサイズ | (F)70/100-19 42M (R)90/100-16 52M |
| 価格 | 輸出専用モデル |
※KX85/KX85-Ⅱ/KX100は公道や一般の交通に供する場所での走行不可



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