埼玉県では18年に“三ない運動”を撤廃。19年より開始された高校生の自動二輪等の交通安全講習が3年目を迎えた。今回は秩父自動車学校での講習のようすをお届けする
乗せて教える二輪車の安全運転講習
約40年も続いていた全国高等学校PTA連合会の“三ない運動”(免許を取らせない・買わせない・運転させない)が、17年に全国的に幕を閉じた。昭和50年代の社会背景に若者の二輪事故や暴走族問題があったが、近年では社会情勢も異なり時代に見合った交通安全教育が求められ、制度自体が見直され廃止へと進んだ。これにともない埼玉県教育委員会では、高校生の免許取得希望者には“生徒と保護者の同意による届出制”として新指導要項ができた。これにより二輪車安全講習が19年7月よりスタート。県を東部・西部・南部・北部・秩父地区の5地区に分けて開催され、今年3年目を迎えた。講習は午前・午後の2部に分かれていて、実技、座学講義、救急実習が行なわれる。この日の受講生は、午前51名、午後35名。安全に走るための向上心に心打たれる講習内容だった。
実技講習の開会式の最初に準備体操を行なう。受講生も掛け声をしながら元気よく体操して、心も体もほぐす
実技講習では、各セクションにて白バイ隊員による模範走行が行なわれる。このコーナーでは、速度が増すことにより周り幅が変わることを説明していた
いよいよ実技講習が始まる。各々走行前点検をしたり、準備したりしている緊張の時間だが、まるで自分たちの子供のようにやさしく見守る二普協の指導員たち
走行開始後は、白バイ隊員の先導で慣熟走行。18歳以上ならば普通二輪免許の取得が可能なため、400㏄バイクも数台参加していた
実際に白バイ隊員のエアバッグを体験し、一瞬でのふくらみに驚く女子生徒。男子生徒は市販のエアバッグを体験した
パイロンスラロームでは、ゆっくりていねいに無理をせずに走行。何回か走って行くうちにアクセル・ブレーキの使い方に慣れてきたようだった
交差点でよくある、トラックの左をすり抜け交差点に入ってから遭遇する右直事故のパターンと、そうならないための防止策をレクチャー模範走行を見て安全確認の大切さや動きを学ぶ
上は10月31日で下は9月19日の写真だが、ヘルメットは落下の危険性などがともなうためバイクの下に置くことを推奨。下の写真のバイク所有者の夢はツーリングとのことで、ライディングブーツを履いていた
半日の講習の中で、実技講習の他に座学と救急救命の講習がある。救急救命の大切さをビデオで説明し、実践に移る前に知識として習得
事故現場に居合わせた場合に救える命のためにも、心臓マッサージのやり方などを人形で体験。思っていた以上に力が必要なことも実感した
川崎 由美子
二輪ジャーナリスト&アンサンブルピアニスト。8年間のドイツ生活から得た生活全般・交通事情などをメディアにて発信中。二輪車安全運転特別指導員、 91 SCORE Baja1000日本人女性初完走者・静岡出身