カワサキレーシングチーム Ninja-ZX-10RR

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ヨシムラ

2月8日から9日にかけてアルガルヴェ・サーキット(ポルティマオ)で行なわれた2日間のテストの結果、カワサキレーシングチーム(KRT)のスーパーバイク世界選手権ライダーのジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は、来たる2022年シーズンに向けて大きな前進を遂げたとのことだ。

2日間とも一貫してドライコンディションで、初日の午後には風も少し強くなる状況。海岸沿いの町ポルティマオの丘陵地帯にある全長4.592kmのサーキットでは、レイ選手は総合2位のラップタイム、ロウズ選手は4位のラップタイムを残した。

とくにレイ選手は最終日の前半、ポルティマオで初めて1分40秒台のラップタイムを記録。午後には2022年モデルのNinja ZX-10RRでの自己ベストを更新し、1分39秒851を記録した。

レイ選手とクルーはシャシーと電子制御のセットアップを行なった他、午後のセッションで行なったロングランの結果は、とくにレースディスタンスをフルに使ってのタイヤの消耗を知る点でポジティブなものだった。また、シングルメイクサプライヤーであるピレリがテストに持ち込んだSCQ開発用新タイヤのひとつでベストラップタイムを記録した。

ロウズ選手のベストラップ1分40秒335は、新シーズンに向けてパーツを比較検討し、ベースとなるセッティングを見出すのに大半の時間を費やした末に出したものである。とりわけ全体的にハイペースで周回を重ね、昨シーズンよりも体調がよくなっていることを証明できたことを喜んでいた。

ポルティマオは、テストやレースでつねに人気のあるサーキットで、10月7日から9日にかけて2022年スーパーバイク世界選手権第9戦が開催される予定だ。2022年シーズンは4月8日から10日にかけて、スペイン北部のモーターランド・アラゴンで開幕する。

なお、KRTのプレシーズンテストは3月25日と26日にカタルーニャ州のモントメロ・サーキットでも開催される予定となっている。

カワサキレーシングチーム Ninja-ZX-10RR

テストを終えたKRTからのコメントは以下のとおりだ。

ジョナサン・レイ選手

カワサキレーシングチーム ジョナサン・レイ

「今回のテストでは、多くの周回を重ねることができました。シャシーに関しては確信が持てない部分があり、何度もやり直しました。ヘレステストで発見したいくつかの項目を確認することができたので、自信を持って臨むことができます。ようやくパッケージがまとまりました。ピレリが持ってきたタイヤを試したあと、午後に作戦を練りました。そして最後に長いレースシミュレーションを行ない、プラクティススタートも初日よりずっといいものになりました。ロングランではセットアップのフィーリングが落ちているように感じましたが、実際にはよくなっています。ポルティマオでは通常、10周か15周でタイヤが大きく減ってしまうのですが、今日はロングランでも減っていない。これはとてもうれしいことで、これからもこの方面の作業を続けていくことになります。速く走ることも大切ですが、レース終盤に速く走ることも重要なので、今日はそれができたといえるのではないでしょうか。だから全体的に見れば、かなり堅実な一日でした。開幕に向けて、ベースとなるセッティングをかなり把握できたと思います」

アレックス・ロウズ選手

カワサキレーシングチーム アレックス・ロウズ

「2日間で162周を走りました。ケガのために1年以上、丸1日のテストをしていなかったから、これは僕にとって最高の結果です。だから160周あまりを、いいペースで、ミスなく、そしてマシンに磨きをかけながら走れたことは本当にうれしい。これでひとつ課題をクリアしたことになります。マシンのセッティングについては、僕らもいくつか改善したけれど、他のライダーも同じように改善しているようです。僕らがやってきたことにはとても満足していますが、シーズン開幕までにあとコンマ2、3秒を縮めなければなりません。このところずっと、マシンのフィーリングが最高でした。本当に満足しています。3月末のモントメロ・テストまでのこの短い休みの間に、クルーチーフのマルセルと一緒にがんばっていくつもりです」

ペレ・リバ(ジョナサン・レイ担当ルーチーフ)

「ジョニーは2日間にわたって多くのラップを刻みました。今日は周回数が多く、午後も19~20周のロングランを行なったので、最後は疲れてしまったようです。いいテストができたと思います。ヘレスとポルティマオでのテストでは、モーターランド・アラゴンでシーズンをスタートさせるための基盤を作るために、いくつかの項目を理解することに集中していました。今回は天候にも恵まれ、2日間にわたってさまざまな要素を比較することができました。次のステップのパッケージ作りに向けて、とても参考になる情報を収集することができました。また、エレクトロニクスについても、いくつかの分野でジョニーに少しばかり貢献することができました。そして今は、次のテストに向けていくつかのことを分析し、準備する時間があります。今回のテストでライバルたちの第一印象が決まり、誰がチャンピオン争いをすることになるのか、みんなわかっていると思います。そこが少しクリアになりました。今は、次のテストに向けてすべてを準備しようと思っているところです」

マルセル・ドゥインカー(アレックス・ロウズ担当クルーチーフ)

「2021年のケガから冬の間にアレックスが見事に回復したことは明らかです。彼はいかなる疲労も感じませんでした。この2ヶ月半でここまで回復したのは見事としか言いようがありません。尊敬に値します。アレックスはこの2日間、1周1周、スピードを上げることができました。マシンのセッティングは変更せず、アップデートしたマテリアルをテストしただけです。今回のポルティマオ・テストで、来シーズンのマシンのスペックを明確にすることができました。今日から約99%のマシンの仕様が決まったといえます。これは我々の目標であり、その目標を達成することができました。アレックスは速く、ロングランではとんでもなく安定していました。レースタイヤで、しかも長距離を走っても、彼がレーススピードに合わせることができたのはうれしいことです。僕たちはとても自信を持っているし、開幕までにあと2回のテストが待っています。大きな項目はすべて終わったので、あとは細かい部分に目を向けることができます」

問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
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