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ヨシムラ

一体どこまで寝かし込めるのか!? 操りやすい過激さゆえの贅沢な挑戦状

2007 Z1000(ZR1000B) インプレッション

進化しているのは、何もフィーリングの伝達だけではない。そのもと、接地感だったりグリップ感も上がっているのも事実。この効果をもたらす原因の一つとして、車体の剛性バランスの変化が挙げられる。この変化についてちょっと話をすると、たとえば…、突き詰めた話になってしまうが、複合コーナーでの切り返しを例に取ってみよう。右コーナーで前後のタイヤにシッカリと荷重をかけている状態から、左コーナーに向けてスパンッと切り返したとき、エンジンのマウント方法によっては、どの車両にもよらず本当にごくわずかだがエンジンは揺れてしまうもの。Z1000の場合、このわずかな揺れをうまくフレームで吸収し、車体全体がヨレないようにセーブしているのだ。だから、激しく切り返したときも、その余韻からくる挙動が収束され、キビキビと車体が付いてくる。同時にグリップ力も増しているというわけだ。

さらにこのフレームにはまだ驚く性能が隠されている。ブレーキを見てほしい。キャリパーが倒立フロントフォークにラジアルマウントされ、当然のことながら制動力もアップしている。ただ、Z1000はこの機能だけで制動力を上げているわけではない。制動力を求めるとき、単にブレーキパーツだけが注目されがちだが、決してそれだけで片付けられない。強調すべきはブレーキをかけたときのフレームへの影響だ。

倒立フロントフォークに加え、こんなにも制動力を求めたブレーキ装備を採用したとなると、フルブレーキング時にはフレームに相当な負担がかかる。そこでフレームには高い剛性が求められるわけだが、だからといって極端にフレームを硬くしすぎると、キックバックやチャタリングが発生しかねない。でも剛性が低ければ、今度はフレームがフロントからの負荷に耐えきれなくなってしまう。しかしこの車両はうまくそのジレンマを解消し、フルブレーキング時の安定感を確立しているのだ。

なんと高次元な車体剛性なことか! だからコーナリング中もどんどん寝かし込める。ライダーも積極的に車体をコントロールできる。これは大いなる武器だ。

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