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ヨシムラ


カワサキ勢は10チームの参戦

大波乱の鈴鹿8耐。今年の大会はこれに尽きる。予選上位10チームのうち6チームが転倒やマシントラブルのため戦線から離脱。リタイヤもしくは順位を大きく落とし、この10チームのうち決勝リザルト10位以内に残ったのは、わずか4チームという結果となった。

そして残念なことに、カワサキのチームも例外ではなかった。予選6位でスタートしたエヴァRT初号機トリックスターは、7時間30分が経過したとき、ほとんどがサイドバイサイドといえるような激しい3位争いを展開していたのだが、ゴールまで残り5分となったところで悪魔が舞い降りた。3位争いのようすを映していた鈴鹿サーキットのモニターからエヴァRT初号機トリックスターのZX-10Rが消えた。冷却系が原因のトラブルだった。マシントラブルのためコースアウトすると、そのままリタイヤとなってしまったのである。あまりにも悔しい幕切れだった。


このエヴァRT初号機トリックスターをはじめ、今年の鈴鹿8耐には10チームのカワサキ系チームが参戦した。参戦車両はNinja ZX-10Rなのだが、エントリーシートには1台だけ「Ninja ZX-10R ABS」の文字が! 「チーム38 PS-K」がABS付きのZX-10Rで参戦していたのである。ABSとは公道走行時の安全を確保することが主な目的の装置であり、ABS付きモデルがレースに参戦することはほとんどない。チームスタッフによればABSはキャンセルしていなく、正真正銘のABS付き車両であるとのこと。ノーマルのままではコーナー進入時のブレーキングでABSが作動してしまうとのことで、ライダーも苦笑いしていたそうだが、そのためにABSを少々調整して、作動しにくくしてあるという。では、なぜABS付きモデルで参戦したのか。大きな理由は、去年と同じ車両ではなく、何か違うことにチャレンジするという意味で、「カワサキはなかなか面白いことをやってるな」と思ってもらえれば…、との思いがあったらしい。

残念ながらリタイヤしてしまったものの、白熱したバトルでサーキットを盛り上げたカワサキ。意表を突く車両のエントリーでバイク乗りの関心をひいたカワサキ。来年こそはぜひ表彰台の中央に上がり、鈴鹿8耐の話題を一人占めしてほしい。2013年のカワサキ勢の活躍に今からまた期待したい。




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